3月19日(日本時間20日、日付は以下同)に行なわれたダラス・マーベリックス対ポートランド・トレイルブレイザーズ戦。ルカ・ドンチッチの華麗なパス捌きがSNSを通じて世界中に拡散され話題となったが、試合を制したのはブレイザーズだった。

 左足骨折から復帰して3試合目となったCJ・マッカラムが、決勝3ポイントを含む32得点に4リバウンド、4アシストと躍動。デイミアン・リラードが31得点、6アシストをマークしたほか、エネス・カンターは14得点、9リバウンド、ロバート・コビントンも11得点、7リバウンド、3スティールを記録し両エースを支えた。

 直近9試合で7勝目をあげたブレイザーズは、これでウエスタン・カンファレンス5位タイの25勝16敗(勝率61.0%)。テリー・ストッツ・ヘッドコーチは通算500勝(472敗)に到達した。

 そしてこの試合の第2クォーター序盤、カーメロ・アンソニーがドンチッチ越しにプルアップジャンパーを放り込み、NBA史上11人目となる通算2万7000得点の大台を突破。キャリア18年目の大ベテランは27分45秒のプレータイムで、フィールドゴール6/11(54.5%)、3ポイント3/5(60.0%)、フリースロー3/4(75.0%)と高確率でシュートを沈め、18得点に4リバウンドをマークした。
  歴代10位のエルビン・ヘイズ(2万7313得点)まであと300得点に迫ったカーメロは、今季中に10傑入りする可能性が高い。70年以上の歴史を誇るNBAにおいて、史上最高クラスのスコアラーのひとりと言っても過言ではないだろう。

 今季開幕時点で歴代15位(通算2万6446得点)だったカーメロは、開幕後にティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)、ドミニク・ウィルキンス(元アトランタ・ホークスほか)、オスカー・ロバートソン(元ロチェスター・ロイヤルズ/現サクラメント・キングスほか)、アキーム・オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)といったそうそうたるレジェンドたちの記録を抜き、歴代11位へと浮上。今季はシックスマンという役割を受け入れ、平均14.2点はキャリアで2番目に低い数字となっているものの、3ポイント成功率39.1%、フリースロー成功率85.6%はキャリア平均を上回る高確率を誇っており、勝負所でのクラッチショットでもブレイザーズを何度も救ってきた。
  NBAという世界最高のリーグにおいて、通算2万7000得点をクリアしてきた選手たちを見ていくと、1位から順にカリーム・アブドゥル・ジャバー(元ロサンゼルス・レイカーズほか)、カール・マローン(元ユタ・ジャズほか)、レブロン・ジェームズ(レイカーズ)、コビー・ブライアント(元レイカーズ)、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)、ダーク・ノビツキー(元マーベリックス)、ウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)、シャキール・オニール(元レイカーズほか)、モーゼス・マローン(元ロケッツほか)、ヘイズと超豪華なメンバーが並ぶ。

 このうち、マローンを除く10選手がチャンピオンリングを獲得しているほか、そのマローンも2度シーズンMVPを受賞。だがカーメロは10度のオールスター選出、6度のオールNBAチーム選出を誇るものの、優勝経験もなければMVPを獲得したこともない。アメリカ代表としてオリンピックに4度出場し、3度の金メダルを手にしていることもあり、将来のバスケットボール殿堂入りが十分期待できるものの、NBAにおける功績が物足りないと感じてしまうのも無理はない。
  それでも、カーメロは今季、レジェンドたちの記録を抜いた際に「自分が愛していることを、キャリアのこの時点でも続けられてただただ嬉しいね」「今でもゲームを楽しんでいるし、ハッピーなんだ」「俺はこれからもプレーし続けていくし、もっと上まで上り詰めていくさ」と話しており、まだまだプレーできることを証明している。

 今季、ブレイザーズがNBAを制することができるかどうかは不透明だが、カーメロがコート上でレガシーを残し続けているのは紛れもない事実。現役として残された時間は短くなっているものの、リーグ史上屈指のスコアラーが繰り出す磨き抜かれたスキルの数々を、今後も目に焼き付けていただきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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