3月21日、ラ・リーガ第28節が行なわれ、ヘタフェはエルチェと1-1で引き分けた。

 勝点4差に迫っているライバルを本拠地コリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えた一戦、20分にショートコーナーからペレ・ミジャに決められて先制されたヘタフェだったが、60分にエネス・ウナルが体勢を崩しながらもゴール右隅に流し込んで同点とする。さらにホームチームは84分にPKを獲得するも、アンヘルのキックはGKエドガル・バディアの好守に阻まれ、勝ち越しはならなかった。

 守護神ダビド・ソリアが「ここで勝てなければ、(前節の)アトレティコ・マドリー戦での引き分けの意味がない」と必勝を誓って臨んだ一戦での引き分けだったが、スポーツメディア『VAVEL』は「悪くはない結果だ。降格圏から勝点6差を保つことができた。今後、降格圏チームを含む下位との試合を多く残しており、危険ゾーンから脱出するチャンスがある」とポジティブに結果を捉えている。
  ヘタフェに貴重な勝点1をもたらした60分のウナルによる同点ゴール。殊勲のトルコ人FWにラストパスを通したのは、7試合ぶりにスタメン復帰を果たした久保建英だった。チームが多くの怪我人や出場停止者を抱える中で、久々にホセ・ボルダラス監督から抜擢された19歳は、トップ下の位置で違いを生み出すプレーを幾度も披露した。

 前線への飛び出しからゴンサロ・ベルドゥの背後からのチャージを受けて倒れた5分の場面は、ファウル(=PK)とも捉えられるものであり、ボルダラス監督も激怒。18分にはヘディングシュートを放った久保は、ドリブルやパスなど積極的なプレーを展開し、72分まで相手に脅威を与え続けた。

 スポーツ紙『AS』は「ボルダラス監督が与えたチャンスに、決定的なパフォーマンスで応えた」と評し、ペナルティーエリア右からのアシストについては「これぞクボ」と絶賛。また、選手個々の寸評では「ウナルのゴールをアシストした他、様々な貢献を果たした。ホアン・モヒカとのデュエルも良く、相手に危険を与え続けた」と綴り、改めて「グッド」と付け加えた。
  さらに「クボは混沌からヘタフェを救った」とも記した同メディアは、採点ではチーム最高タイの2点(3点満点中)。同じスポーツ紙では、『MARCA』もやはり2点で、『MUNDO DEPORTIVO』は3点(5点満点中)でこちらもチーム最高タイ、本文では「活発なプレーを見せ、(得点の場面では)ウイングとして良いクロスを入れた」と評している。

 他のメディアでは、日刊紙『El Pais』が「カルレス・アレニャとともに攻撃をコントロールし、プレーに意味を持たせた。卓越したボールコントロール、適切なパス、1対1へのチャレンジなど、違いを披露。後半はより、相手にとって危険さを増し、日本人選手は好調な動きで最高のチャンスを創った」と綴った。
  そして通信社『Agencia EFE』は、「ドリブルやパス、ゲームコントロール、予想できないリズムチェンジ、正確なFK、チャンスメイク。クボは仲間から拍手喝采を浴びた。この日本人がいなければ、ヘタフェはアイデアが欠如した退屈な攻撃によって終わっていただろう」と称賛。久保を「ヘタフェに光を当てる男」と表現した。

 1月のビジャレアルからヘタフェへの編入後、ぶっつけ本番で2ゴールに絡んだデビュー戦のカードでもあるエルチェ戦で再び目に見える結果を残し、見る者に好印象を与えた久保。長く苦しんでいる神童にとって、これはターニングポイントとなるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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