今月の代表ウィークではU-24日本代表に合流し、攻撃の核として強豪U-24アルゼンチン代表との2試合でプレーした久保建英。0-1で敗れた1戦目では惜しいシュートの他、幾つかのプレーで非凡さを誇示し、2戦目ではセットプレーのキッカーとして2点をアシストするなど、3-0の快勝に貢献した。

 代表で結果を残した久保はヘタフェでの厳しい戦いに戻る。それは、失ったレギュラーポジションを奪還するための戦いであり、これを制した先には、彼が目標とする所有元レアル・マドリーへの復帰がある。

 ビジャレアルでのウナイ・エメリ監督の起用方針に満足できなかった19歳は、今冬にヘタフェに編入し、ホセ・ボルダラス監督の下で加入当初から主力として好パフォーマンスを発揮。しかしその後は、堅実なサッカーへ回帰した指揮官の中で序列が低下していった。

 代表ウィーク前最後の一戦となったラ・リーガ第28節のエルチェ戦では、怪我人や出場停止者が続出した関係で7試合ぶりにスタメン復帰。効果的なプレーを披露したものの、立場は依然として不安定なままである。
  出場機会を求めて加入した先でもベンチに長く座る状況は、マドリーが望むものではなく、とりわけジネディーヌ・ジダン監督は現状の久保を自チームに加える気はないようだ。来季、久保は再びレンタル生活が送るか、あるいは売却されるかのどちらかだと、これまで幾つかの現地メディアによって報じられている。

 しかし、スペインの総合メディア『Que!』は、マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長の久保への評価は以前と変わらず高く、指揮官の意に反してでも、来夏にマドリーに復帰させる意向であると伝えた。

 マドリーは今季、不安定な戦いを続けており、チームの大刷新の必要性に迫られている。その中で、ペレス会長は新時代のメンバーのひとりとして、「2年前にチームの将来にとって重要な存在となるであろうと考えて獲得した」(同メディア)久保を取り戻したいと考えているという。

 久保がビジャレアルやヘタフェで主力となれずにいる状況についても、ペレス会長はあまり問題視しておらず、信じられないほどのクオリティーの左足を持つ“特権的”な少年を、「白い巨人」に仲間入りさせ、ここでその才能を発揮することを望んでいるようだ。
  しかし、彼の考えは現場の最高責任者の方針とは相反するものである。ジダン監督は、久保の才能を認めており、決してガレス・ベイルらのように「ブラックリスト」に名前を載せているわけではないが、現時点でこの日本人選手をチームに加えたくないと考えているという。理由は今季、レンタル先で継続してプレーできていないこと、そして今の久保が自身の指揮下でいかなるプレーができるのかが見えないからだ。

 ジダンは今夏については、久保のような未知の若い選手ではなく、キリアン・エムバぺ(パリ・サンジェルマン)やアーリング・ハーランド(ドルトムント)のような疑いようのない即戦力を求めているという。
  同メディアは最後に、全てのマドリーの関係者の中で、久保がチームにとって重要な存在となることに疑いを持つ者はひとりもいないと断言。久保にとっての問題は、マドリー特有のプレッシャーの中で彼がクオリティーを発揮できるかどうかを疑うジダン監督からの信頼の欠如であるとし、すぐにでもマドリーに久保を呼び戻したいペレス会長と、もうしばらくは武者修行を継続させたい指揮官との間で「対立が始まる」と綴って締めている。

 この記事からは、マドリーの久保に対する相変わらずの評価の高さが伝わってくるが、ジダン監督の“迷い”を吹き飛ばすような活躍を久保がレンタル先で見せることが、何よりの最善策であることは間違いないだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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