今シーズンのNBAは、ブルックリン・ネッツがケビン・デュラント、カイリー・アービング、ジェームズ・ハーデンと歴代トップクラスの破壊力を秘めた“ビッグ3”を結成して大きな注目を集めた。

 さらにチームはバイアウト(契約買い取り)を経てフリーエージェントとなったブレイク・グリフィンとラマーカス・オルドリッジも獲得し、オールスター経験者揃いの超豪華布陣となった。スター選手のバイアウトは今シーズンのトレンドとも言えるが、元NBA選手のジェイレン・ローズはこの状況に苦言を呈している。

『ESPN』の番組「NBA Countdown」は、「ブルックリン・ネッツはタレントに不自由しない」とのテーマで、イースタン・カンファレンス2位(37勝17敗)につける強豪にフォーカス。オールスター選出経験者6人を擁するのは、過去30年のNBAでは最多だという。
  デュラントとアービングのデュオで開幕を迎えたネッツは、今年1月に電撃トレードでヒューストン・ロケッツから3年連続得点王のハーデンを獲得し、強力ビッグ3が誕生した。

 ハーデン加入後は、デュラントが左ハムストリングの故障で離脱しながらも成績を伸ばしてきたなか、3月に入ってデトロイト・ピストンズからバイアウトされた32歳のグリフィン、同じくサンアントニオ・スパーズとバイアウトで合意したオルドリッジが加わり、既存戦力であるディアンドレ・ジョーダンを含めてオールスターが6人となった。

 オルドリッジは5試合で先発して平均12.8点、4.8リバウンド、FG成功率52.1%、グリフィンはスーパーサブとして9試合(うち先発2試合)に出場して平均7.7点、4.0リバウンド、FG成功率48.9%とまずまずの成績を残している。

 選手たちの実績などを踏まえれば、戦力はイースト随一と言っても過言はないが、2000年にMIP(最も成長した選手)を受賞するなど、左利きのオールラウンダーとして活躍し、現在『ESPN』のアナリストを務めるローズはリーグの状況を危惧している。「リーグ全体には間違いなくひどい状況だ。アダム・シルバー(コミッショナー)は何かを変えないといけない。もちろん、選手にフレキシビリティがあるのは好ましいことだ。ブレイク・グリフィンは良いピストンズの選手だった。

 オールスタープレーヤーだしね。しかし、彼はこの1年ダンクを決めていなかった。ネッツ移籍後は6試合で5本のダンクを成功させた。ためらわず、覚悟を決めてダンクという行動を起こした。ピストンズファンは彼が根気強くやっていたと信じているが、結果として彼はトレードされた。契約最終年のバイアウトではなく、1年契約が残っていたというのが問題だ」

 ローズは、クリーブランド・キャバリアーズからバイアウトになり、ロサンゼルス・レイカーズへ移籍したアンドレ・ドラモンド、若手育成を優先させてシーズン途中で試合に起用しないことが決まったオクラホマシティ・サンダーのアル・ホーフォードも引き合いに出しながら、持論を展開している。
 「サンダーのアル・ホーフォード、キャブズのアンドレ・ドラモンド……、チームは選手を資産として守ろうとし、プレーさせるつもりはないと言う。カンファレンス下位に沈むチームも戦わないといけない。NBAはこのシチュエーションにおいて、何か対策を打たないといけない。チームで1番目、あるいは2番目の選手が移籍することでリーグの勢力図が変わってしまう」

 もしも、今シーズンにネッツがNBAの頂点に立った場合、バイアウトシステムに関する議論はさらにヒートアップするかもしれない。それだけに今後の動向に注目だ。

構成●ダンクシュート編集部

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