東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大が、ついに“復帰マウンド”に立った。

 4月17日に東京ドームで行なわれた北海道日本ハムファイターズ戦で、楽天の田中は日本球界で8年ぶりとなる先発登板を果たす。右ヒラメ筋を損傷によって予定より3週間遅れでマウンドに立った背番号18は、初回に日本ハムの4番中田翔にツーランホームランを浴びるなど5回を投げて3失点で降板した。

 惜しくもNPB通算100勝はならなかったものの、要所ではベテランらしいクレバーなピッチングを見せた。そんな32歳に、アメリカ・メディアはいまだ熱視線を送っている。

 田中がメジャーで在籍したヤンキースの情報を日夜発信している専門サイト『Inside The Pinstripes』のパット・ラガッツォ記者は、「マサヒロ・タナカを放出するのはヤンキースにとって大きな間違いだった」と銘打つ特集記事で、「ファンにも愛されたタナカは信頼の置ける働き者だった」と評した。

 ヤンキースの番記者でもある同氏がそう記すのも無理はない。現在、ヤンキースの先発陣は防御率がメジャー全体19位の4.58と、目を覆いたくなる惨状なのだ。

【動画】田中将大の154キロのストレートを一閃! 中田翔の圧巻ホームランシーンはこちら エースのゲリット・コールは1.47と申し分ないが、田中の穴埋めと期待されたコリー・クルーバーとジェイムソン・タイオンが一向に振るわない。前者は3度の先発で5イニング以上投げられずに防御率は6.10で、後者も2度の先発で5イニングを全うできずに7.56と、明らかに精彩を欠いている。

 昨オフはコロナ禍での収益悪化に伴い、ぜいたく税の回避を最優先に動き、田中と再契約しなかったヤンキース。右ひじの手術からの復帰を目指しているルイス・セベリーノが合流する可能性が高い今夏までは、コール、クルーバー、タイオンの3本で乗り切る狙いだったが、その目論見が早々に崩れているのだ。

 ゆえにラガッツォ記者も「ヤンキース在籍時に78勝を挙げ、プレーオフになるとさらに頼りになったタナカ。彼が投げればチームに勝利のチャンスをもたらすと、ニューヨーカーの誰もが知っていた」と惜しむ。

「当然のことながら、ヤンキースは勝負所でこそ本領を発揮したタナカと再契約していれば、先発陣の穴をひとつは埋められていたはずだ。外部からの補強を含めて、キャッシュマンGMはこれからどう立て直していくのだろうか。いずれにしても、経験の乏しい若手の抜擢か、新たな補強など、リスクの高い決断を迫られそうだ」

 開幕から先発投手陣のやりくりに苦戦しているヤンキース。彼らにとって田中がいかに大きな存在だったかは、想像に難くない。

構成●THE DIGEST編集部