2020-21シーズンのNBAは、残り20試合を切った。プレーオフ進出争いとともに、気になるのは個人タイトルレースだ。とりわけ、候補者に故障が相次いでいるMVPは混戦模様だが、現役時代に優勝経験を持つラシード・ウォーレスは、古巣ポートランド・トレイルブレイザーズの“後輩”でもあるデイミアン・リラードを推している。

 今季はブルックリン・ネッツにケビン・デュラント、カイリー・アービング、ジェームズ・ハーデンの超強力ビッグ3が誕生して話題をさらった。その後、元ダンク王でオールスター出場6回を誇るブレイク・グリフィンがデトロイト・ピストンズとのバイアウト(契約買い取り)を経て加わり、優勝候補の一角と目されている。

 ただ、4月14日(日本時間15日)に行なわれたイースタン・カンファレンス首位フィラデルフィア・セブンティシクサーズとの一戦は、デュラント、ハーデン、グリフィンが故障欠場でアービングが孤軍奮闘となり、117−123で競り負けた。

 現役時代に攻守万能のビッグマンとして鳴らし、2004年にピストンズで優勝メンバーの一員となったウォーレスは、『ESPN』の番組"First Take"でネッツのポテンシャルを認めつつも、シクサーズの方が上だとの見解を示した。
 「ブルックリンはトリフェクタ(3本の矢)を持っている。3人の偉大なプレーヤー、カイリー、ハーデン、KDはお互いにリスペクトし合う必要がある。まだ3人が揃って多くの試合をこなしておらず、誰かが(ケガで)欠場している。もし、3人が健康だったとしても、俺はシクサーズに軍配を上げる。(ジョエル)エンビードが健康なら、彼はモンスターだ。すべては彼の手中にある」

 今季のエンビードは平均30.0点、11.1リバウンド、3.0アシスト、1.45ブロック、1.03スティールと攻守で躍動し、カンファレンス首位に立つ原動力となっている。その活躍は誰もが認めるところだが、「今シーズンのMVPは誰?」との質問には、ウォーレスもシビアな見解を示している。

「それはタフな質問だ。(候補になっている)ほとんどの選手が全試合でプレーしていない。エンビードだと言いたいところだけど、ケガが理由で欠場も多い。現時点なら、デイム(リラードの愛称)を推すよ。ほとんどの試合でコートに立っているし、デイムがモンスターなことはみんなが知っている」
  エンビードは左ヒザの骨挫傷などにより計18試合を欠場しており、その点はマイナスポイントだと言及。一方、ウォーレスの古巣ブレイザーズの絶対的エースであるリラードは、欠場は3試合のみで、リーグ3位の平均28.7点、同9位の7.7アシスト、同3位の3ポイント成功数212本を誇り、チームも混戦のウエスタン・カンファレンスでも6位(32勝23敗)につけている。厳しいマークをかいくぐり、勝負強いプレーを見せ続けている点を評価している。

 またウォーレスは、『NBA.com』の“MVPレース予想”で5週連続1位に立っているニコラ・ヨキッチについても、現役時代に共闘したアルビダス・サボニスを引き合いに称賛している。
 「ジョーカー(ヨキッチの愛称)に関してはワォと言うしかない。ジョーカーは若いサボニスのようだ。彼は7フィート1インチ〜2インチ(公称は6フィート11インチの211cm)のサイズでありながら恐ろしいほどのパサーで、フットワークも良く、ポストムーブと3ポイントも備えている」

 平均26.1点、11.0リバウンド、8.8アシスト、トリプルダブルを今季15回達成している万能センターのヨキッチ。同じビッグマンのエンビード、リラードらを交えたMVPレースは最後までもつれそうだ。

構成●ダンクシュート編集部

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