NBAのレギュラーシーズンも残り1か月を切り、いよいよ最終コーナーに突入。今季は各カンファレンス7〜10位のチームがプレーイン・トーナメントを戦い、プレーオフの出場権を争うことから、例年以上に激しい終盤戦になることが予想されている。

 それと同時に、今後の展開が気になるのが各個人賞の行方だ。特にMVP争いはロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズやフィラデルフィア・セブンティシクサーズのジョエル・エンビードといった序盤戦の有力候補たちが相次いで故障離脱を余儀なくされたことで、激化の一途を辿っている。

 先日、現地メディア『HoopsHype』は昨季のアウォード投票に参加した識者のうち17名から今季のMVP候補トップ5を集計し、最新版のMVP候補ランキングを発表した。同メディアが公開したランキングは以下の通りだ(チーム名は略称)。
 ■『HoopsHype』による今季のMVP候補5選
1位:ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)
2位:ジョエル・エンビード(シクサーズ)
3位:ステフィン・カリー(ウォリアーズ)
4位:ヤニス・アデトクンボ(バックス)
5位:デイミアン・リラード(ブレイザーズ)

 トップに立ったのは、ナゲッツが誇る万能型センターのヨキッチだ。今季はここまで58試合にフル出場し、平均26.4点、11.0リバウンド、8.7アシスト、1.41スティールにフィールドゴール成功率56.8%と大車輪の活躍を披露。相棒のジャマール・マレーが左ヒザの前十字靭帯断裂により戦線離脱するも、チームはそこから4連勝と、強豪揃いのウエスタン・カンファレンスで4位(38勝20敗/勝率65.5%)という好成績を残す立て役者となっている。

 3月下旬にトレードで加入したアーロン・ゴードンは「俺たちには依然として十分な戦力が備わっている。特に“ジョーカー(ヨキッチの愛称)”がいるからね。彼がフロアにいれば、このチームには毎晩勝利するチャンスがあるんだ」と全幅の信頼を寄せている。

 2位にはシクサーズをイースタン・カンファレンス1位タイの39勝20敗(勝率66.1%)へと導くエンビードがノミネート。ここまで左ヒザの骨挫傷などで計18試合を欠場しているものの、自己最高の平均30.1点、11.3リバウンド、3.2アシスト、1.43ブロックに加え、フィールドゴール成功率51.5%、3ポイント成功率38.7%、フリースロー成功率85.1%と、ショット成功率全般でキャリアハイをマークしている。チームがこのままイースト首位で終えられれば、初のMVPを手にする可能性は十分あるだろう。
  3位から5位に入ったカリー、アデトクンボ、リラードもリーグ指折りのスーパースターとして見事な活躍を見せているが、上位2人と比較するとやや分が悪い。

 カリーは平均31.1点でリーグ得点王に躍り出たものの、チームは29勝30敗(勝率49.2%)でウエスト10位。2年連続でMVPに輝いているアデトクンボも平均28.5点、11.2リバウンド、6.0アシストという好成績ながら、チームはイースト3位の36勝22敗(勝率62.1%)と、リーグベストを記録した過去2シーズンほどのインパクトは残せていない。リラードについても平均28.6点、7.6アシストと個人成績は申し分ないが、ブレイザーズはウエスト6位タイ(32勝26敗/勝率55.2%)にとどまっており、MVPの本命に推すには不十分だろう。
  なお、6位から10位はジェームズ・ハーデン(ネッツ)、クリス・ポール(サンズ)、レブロン・ジェームズ(レイカーズ)、カワイ・レナード(クリッパーズ)、ルカ・ドンチッチ(マーベリックス)がランクイン。ハーデンとレブロンは戦線離脱中で、ポールにはデビン・ブッカー、レナードにはポール・ジョージという票が二分されそうな強力なチームメイトがおり、ドンチッチが所属するマブズはウエスト6位タイ(32勝26敗/勝率55.2%)に過ぎない。

 そのため、今季のMVP争いはヨキッチとエンビードという、オールスターセンターによる一騎打ちとなる様相を呈している。はたして今季の“ベストプレーヤー”に輝くのはどちらのビッグマンなのか。シーズン終盤戦の行方とともに注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)