アメリカテニス界のレジェンドで元世界ランク1位のアンドレ・アガシ氏がYouTubeのポッドキャスト「Beer Biceps」に出演。その中で次世代のプレーヤーが飛躍を遂げていることについて私見を述べた。

 長年にわたり、男子テニスツアーではロジャー・フェデラー(スイス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)の「ビッグ3」が世界のトップに君臨し続けてきた。だが、ここ最近はダニール・メドベージェフ(25歳/ロシア)やアレクサンダー・ズべレフ(24歳/ドイツ)、ステファノス・チチパス(22歳/ギリシャ)など、若手選手の活躍が目立っており、グランドスラムに次ぐ規模のATPマスターズ1000大会では、昨年のパリ大会から3大会連続でビッグ3以外の選手がチャンピオンとなっている。

 さらに、2019年の全米オープンと今年2月の全豪オープンではメドベージェフが決勝へ進出。2020年にはドミニク・ティーム(27歳/オーストリア)が全米オープン初優勝を果たし、グランドスラムにも世代交代の波が押し寄せていることは間違いない。

 実際、アガシ氏も「次の世代の選手たちが到来している。いつ実現するかはわからないが、(現在のテニス界は)新世代のプレーヤーが世界のトップに躍り出る過程にあると思っている」と若手の台頭を実感しているようだ。
  また、アガシ氏によれば若手が強さを発揮している背景には、やはりビッグ3の存在が大きく関係しているという。「今までは若い選手たちがあの3人に敬意を示していたが、それが仇となってしまっていた」とした上で、「(最近の)ズベレフやティームを見てみるとわかると思うけど、彼らはビッグ3をこれまでのようにリスペクトしている場合じゃないことに気付いたんだと思うよ」と語っている。

 最後にビッグ3以外の選手が頂点に立つために必要な心構えについて問われたアガシ氏は、「とにかく自分を信じなければならない。グランドスラムで優勝することや日々進化し続けることを誰かが実際に示し、人々がそれを信じ始めれば、他の人もその方向に向かって突き進むだろう」とコメントし、インタビューを締めくくった。

 次世代のプレーヤーの活躍はテニス界の活性化に大きく貢献しており、年々ビッグ3とのトップ争いは激しさを増している。今後もお互いに切磋琢磨しながら、多くのテニスファンを楽しませてもらいたい。

文●中村光佑

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