現地時間5月20日、アゼルバイジャン・プレミアリーグの最終節が行なわれ、ネフチ・バクーはカラバフを1-0で下し、逆転で8年ぶり9回目のリーグ優勝を飾った。

 7連覇中の宿敵と勝点わずか1差で迎えた2位ネフチのホームゲーム。両チームのサポーターによる共同での嘆願も虚しく無観客で行なわれることになった一戦は、緊張感が張り詰める中、序盤こそアウェーチームが攻勢に立つも、互いに慎重な姿勢を見せて膠着状態となる。その中でカラバフは後半にFKがクロスバーを叩く決定機を迎えるも、ゴールには至らないまま終盤を迎えた。

 引き分けでは宿敵の戴冠を許すことになるネフチは90分、左からのクロスをDFパペ・エムボジが頭で落とすと、フリーとなったアフメド・アフメドフが力強くゴールに叩き込み、先制に成功する。7分超のアディショナルタイムでは、守勢時にあわやハンドでPK献上という場面も訪れたが、ノーホイッスルでこれを切り抜け、ついに歓喜の瞬間を迎えた。
  劇的な形でのリーグ制覇に、「言葉がない。ネフチに関わる全ての人々とこの勝利を祝いたい」と語ったサミール・アッバソフ監督らスタッフ陣、「ただただ幸せ。重要なゴールを決められて良かった」と感激する殊勲のアフメドフら選手らは、ピッチ上で喜びを爆発させたが、その中には当然、笑顔の本田圭佑の姿もあった(『SPORTiNFO』より)。

 2試合ぶりのスタメン入りを果たした34歳の日本人は、35分には正確なパスでオマール・ブルドフの至近距離からの惜しいシュートを引き出したりしたものの、流れを変えたいアッバソフ監督によって70分にこの試合最初の交代選手となり、納得のいかないしぐさを見せてピッチを退いた。

 この一戦の詳しく報じたロシアの『Sports.ru』からは「この『黄金カード』でスターである本田が際立った活躍を見せるのを期待していた者もいただろうが、彼は輝きを見せることはなく、指揮官の決定に不満を示しながら途中交代となった」と厳しく評されたものの、CSKAモスクワ時代以来となる自身2度目のトップリーグでの優勝に喜びを露にし、試合後の自身のSNSには「ネフチに関わる全ての人々におめでとう。そして偉大な経験をさせてくれてありがとう」と英語でメッセージを贈っている。
  また本田は、自身が運営に関わる音声メディア『Now Voice』でインタビューに応え、「正直、優勝できないかも、難しいかもと思っていたので、想像超える結果になって嬉しい。チームメイトがやってくれた」と喜びを表わした後、来季については「まだ決めていないが、やるとすれば大きな目標を立てたい」と現役続行か否か検討中であることを明かした。

 今冬にブラジルのボタフォゴを退団し、ポルトガルのポルティモネンセを経て3月にアゼルバイジャンに辿り着いた本田が王者の一員となったことについては、国内メディアはもちろん、かつての彼が所属したミランの専門メディア『MilanNews.it』が「ネフチが王者となり、元ロッソネロの本田がパーティー」、ブラジルの『GZH』が「元ボタフォゴの本田を擁するネフチが感動の最終節での優勝決定」と報じるなど、各国でこのニュースは取り上げられた。
  現地メディアでは、早くも来季のチャンピオンズ・リーグ(予選)に言及し、アッバソフ監督、カムラン・グリエフ会長の戦力補強に関するコメントを紹介するところも幾つかあったが、本田の去就については『iDMANTV』が「ネフチに2か月在籍している本田だが、シーズン後にはチームを去る可能性が高い。ネフチは彼の給与が高いため、新しい契約のオファーは出さないだろう」と報じている。

 一方で、以前に『SPORTiNFO』は、本田が来季はネフチのスタッフとして入閣し、チーム作りに携わる計画があると報じていたが、実業家としてアゼルバイジャンでの投資も行なっているという彼はこの先、この国、そして王者クラブとどのような形で関わっていくのかが注目される。

構成●THE DIGEST編集部