現地5月18日(日本時間19日、日付は以下同)、NBAはプレーオフ1回戦の日程を発表。レギュラーシーズンでリーグベストの52勝20敗(勝率72.2%)を記録し、ウエスタン・カンファレンスの第1シードで臨むユタ・ジャズは、23日に初戦を迎えることとなった。

 今季のジャズはオフェンシブ・レーティング(116.5)でリーグ4位、ディフェンシブ・レーティング(107.5)で3位と攻守ともに最高レベルを誇り、ネット・レーティング(※オフェンスからディフェンスを引いた差)は+9.0でリーグトップに君臨した。

 1回戦の相手は21日に行なわれるプレーイン・トーナメントの最終戦で決定するが、ジャズとしては今季1勝2敗と負け越しているゴールデンステイト・ウォリアーズよりも、3戦全勝しているメンフィス・グリズリーズになることを願っているだろう。
  また、ジャズにとっての懸念事項はほかにもある。それは、故障で戦列を離れているドノバン・ミッチェルの回復具合。今季のチームはジョー・イングルズとジョーダン・クラークソンの2選手が最優秀シックスマン賞の最終候補に選ばれるなど、選手層の厚さを武器に好成績を残したものの、1回戦からその先も含め、プレーオフを勝ち上がるためにはエースの存在が不可欠だ。

 ミッチェルは4月16日のインディアナ・ペイサーズ戦で右足首を捻挫し、翌戦からシーズン最終戦まで約1か月を欠場。その間、ジャズは5連勝を含む10勝6敗と勝ち越し、リーグ首位の座を守ったものの、プレーオフとなるとそうはいかない。

 今季平均26.4点、4.4リバウンド、5.2アシストをマークしたオールスターガードの状態はチーム最大の注目ポイントだったが、20日に行なわれたチーム練習で朗報が舞い込んだ。ミッチェルが久々に練習に復帰し、プレーオフ開幕戦に出場できる可能性を示唆したのだ。

「練習はいい感触だった。コートに立って競い合った。この4、5週間で初めての練習ではあったけど、(復帰へ向けて)期待できるものだった。今は調子を取り戻すための方法を探っているところだ」と、ミッチェルは現状について明かしている。
 「逆境なくして、幸運が訪れることはない。僕の目標はただコートに出て、チームメイトとチャンピオンシップを勝ち取る手助けをすること。それが今シーズンを通してのゴールなんだ」

 昨季のプレーオフでデンバー・ナゲッツのジャマール・マレーと壮絶な点取り合戦を演じたミッチェルは、3勝1敗から3連敗を喫して1回戦で姿を消したものの、シリーズ平均36.3点、フィールドゴール成功率52.9%、3ポイント成功率51.6%(64本中33本/平均4.7本成功)、フリースロー成功率94.8%と大暴れを見せた。当然、この男がいるかどうかで対戦相手へ与えるプレッシャーは大きく変わってくる。
  ジャズは今季、シーズン全試合(※今季は通常より10試合少ない72試合)で3ポイントを10本以上成功というNBA新記録を樹立。1試合平均16.7本の成功もNBA歴代トップと、多彩なパスワークから高確率にシュートを沈めた。

 この武器を最大限に生かすため、あるいはシューター陣がスランプに陥った場合に、ミッチェルの突破力は最大の打開策となる。エースが万全のコンディションでプレーオフに臨めるか。これが今季のジャズの最終地点を左右することになるかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)