今年1月に開かれた冬の移籍市場最終日にリバプールからサウサンプトンにレンタル移籍した南野拓実は、直近10試合出場で2得点という成績を残して2020-21シーズンを終えた。
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 プレミアリーグ第23節ニューカッスル戦でいきなり見事なゴールを挙げるという、鮮烈な新天地デビューを飾った26歳の日本人は、25節チェルシー戦でも相手DF、GKを手玉に取るテクニカルなゴールを披露して評価を高めた。しかし徐々に試合における影響力が衰えていき、新たなゴール、確固たるスタメンの地位は築けなかった。

 そんな南野の、レンタル選手としてのキャリアに対して厳しい評価を下したのが、地元メディア『Hampshire Live』だ。今季の「セインツ」の各選手を採点(10点満点)した企画の中で、南野に19人中最低タイの「5」をつけたのである。

 ジャック・スティーブンス、ムサ・ジェネポと並んでの最低評価となった理由を、同メディアは「リバプールからのレンタル選手は、デビュー戦での得点によって大きな期待を示した。しかし、ゴールを挙げたニューカッスル、チェルシー戦でさえ、彼のパフォーマンスには物足りなさがあった。最終節のウェストハム戦のプレーは、おそらく彼の最高のものだったが、それでも印象的と言うには程遠いものだった」と断じた。

 南野についてはシーズン終盤、他の多くのメディアもネガティブな見方を示し、サウサンプトン残留(買い取り、レンタル継続のいずれも)の可能性は消えたという考えが大勢を占めていた。しかし、ラルフ・ハーゼンヒュットル監督は全日程終了後、「彼の精神性やキャラクターは、我々のチームに本当に合っている」と称賛するとともに、来季に向けてリバプールと交渉していく意向を明らかにした。
  南野を引き続き駒のひとつとして手元に置き続けようと考えるオーストリア人指揮官に、専門メディア『FOOTBALL FANCAST』は「大きな間違い」と主張する。

「データサイト『WhoScored』において平均採点6.42というチームの中で15番目の評価に終わったミナミノが来季、サウサンプトンでプレーすることになれば、それがレンタルであろうが、完全移籍であろうが、ファンを失望させるのは間違いないだろう」と訴えた同メディアは、さらに以下のようにセインツへの“悪影響”を指摘した。

「レンタル契約であれば、それは26歳の日本人のプレー機会を保証する条項が含まれる可能性が強く、ネイサン・テラやウィル・フェリーら左サイドの選手の成長を妨げになりかねない。そして買い取りとなった場合に、他の有効な戦力補強に使うべき資金が減ることになる」

 かなり辛辣な内容であるが、同メディアがここまで南野獲得に反対するのは、降格したフルアム、シェフィールド・ユナイテッドを上回る失点を喫したサウサンプトンにとって守備のスペシャリストの獲得こそが急務であると考えているからである。

 ハーゼンヒュットル監督は、南野の去就について「夏に全てが判明する」と語っているが、主導権を握るリバプールとの交渉はいかなる形で決着するのか、しばらく動向を見守る必要がある。

構成●THE DIGEST編集部