ユベントスにとって、2020-21シーズンは新たな時代の幕開けとなるはずだったが、終わってみればチャンピオンズ・リーグ(CL)は失意のベスト16止まり、セリエAでは10連覇をインテルに阻止されただけでなく、あわやCL出場権を失いかけるなど、忘れたい悪夢の1年となった。

 期待と不安を受けて名門クラブの手綱を握ったアンドレア・ピルロは、新米監督として同情の余地があるものの、常勝を義務付けられたチームの歩みを止めた責任はやはり大きく、1年で古巣を去ることになり、後任にはマッシミリアーノ・アッレグリが2年ぶりの復帰を果たし、再スタートを切ることが決まっている。

 新監督が到来すれば、選手の顔ぶれにも変化が生じるのは当然のこと。特にアッレグリは2014年から6シーズンもユベントスを率いており、どのような戦い方を好むかと同様に、どのようなチーム作りをするかも知られている。そこで注目されるのは、現チームのエースであるクリスチアーノ・ロナウドの動向だ。
  昨季、不振に喘ぐチームの中で29ゴールを挙げ、プレミアリーグ、ラ・リーガ、セリエAという欧州3大リーグで得点王に輝くという初の快挙を成し遂げた一方、ここ一番で決定力を欠いたり、CL決勝トーナメント1回戦・ポルト戦での相手FKへの対処の拙さが敗退につながるなど、非難を浴びることも少なくなかった。また、その3000万ユーロ(約37億円)という莫大な年俸がコロナ禍で大幅な収入減となっているユベントスの財政を圧迫し、常に移籍の噂が付きまとうようになっていた。

 ピルロの退任決定の際には、SNSで「ありがとう、マエストロ。あなたの指導を受けられて光栄でした」と感謝のメッセージを送り、若き指揮官を見送ったC・ロナウドだが、堅実なアッレグリの到来により、あらゆる面で「スペシャル」な存在であるポルトガル人ストライカーの立場は微妙なものになると予想されている。
  そんな中、スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、C・ロナウドとマンチェスター・ユナイテッドのフランス代表MFポール・ポグバとの交換トレードが成立する可能性があると報じ、これを各国メディアが伝えている。言うまでもなく、マンチェスター・UはC・ロナウドがスター街道を歩み始めた特別なクラブであり、ポグバにとってユベントスは才能を開花させた重要なクラブである。

 同メディアは、アッレグリ監督がかつて共闘したポグバの古巣復帰を希望していると伝えている。一方、C・ロナウドのマンチェスター・Uは以前から噂に上がっていたが、彼の高額年俸がネックになっているとも伝えられており、今回もマンチェスター・Uはユベントスに対して幾らかの現金を望んでいるという。
  C・ロナウドについては、チーム内で孤立していると報じられたり、SNSでの「イタリアでの目標を達成した」との投稿が退団を意味するものだと捉えられるなど、何かと移籍に結び付くような記事が流れる一方で、残留を示唆する言動を見せるなど、予測が難しい。『Gazzetta dello Sport』では、彼の恋人ジョージナ・ロドリゲスさんがメディアから「イタリアを去るのか?」と訊かれて否定する場面の動画も公開されているが、こちらも一方でパリへの“引っ越し”を望んでいるという噂もある……。

 36歳にして衰えを見せず、来月開幕するEUROでもポルトガル代表のエース&キャプテンとして王座防衛に挑むC・ロナウド。3年前、ロシア・ワールドカップ開催中にレアル・マドリーからユベントスへの移籍を発表して世界を驚かせた彼は、今回もビッグニュースを提供することになるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部