6月12日に日本代表を離脱した南野拓実について、日本サッカー協会からは「クラブの事情による」と発表されていたが、リバプールの地元紙『Liverpool Echo』によれば、事前に所属クラブとの間で出場時間制限の約束が取り交わされていたからだという。

 一部では、南野の去就に何らかの動きがあったために、手続きなどのためにイングランドに戻ったのではないかという憶測も流れ、複数の現地メディアがそれを報じた他、SNSでは多くの英国のファンが「良いオファーが届いたに違いない」「間違いなく退団だな」「他国への移籍だろう。確か以前に、セビージャからオファーがあったな」などといった書き込みを投稿していた。

 実際は現時点で目立った動きはなく、相変わらず日々、彼の去就について様々な報道がなされており、『Liverpool Echo』はリバプールの攻撃陣の補強について、ディボック・オリギ、ジェルダン・シャキリ、そしてブラックバーンに貸し出されていた18歳のハーベイ・エリオットらの去就次第と報じている。南野については、シャキリとともにロベルト・フィルミーノが担う背番号10のポジションの貴重なバックアップとチームは捉えており、もし2人がマージ―サイドから去る場合には新たな戦力の補填が必要になるという。

 シーズン途中からプレー機会を求めてサウサンプトンにレンタル移籍し、加入後しばらくは好結果を残すも徐々にトーンダウンしていった南野や、以前から売却が噂されながらもリバプールに残留してベンチを温め続けたオリギとシャキリについては、「3人ともクラブでの将来に疑問符がつく選手」(専門メディア『THIS IS ANFIELD』より)と見られているが、南野が幾らか引き合いがあるのと対照的に、あとの2人はコロナ禍による不景気の中で、多くのクラブにとっては手が出しづらい存在と見られているようだ。
  サウサンプトンの地元メディア『Hampshire Live』は、南野のレンタル時のキャリアは「全体的に期待外れなパフォーマンス」と厳しく評しながらも、ラルフ・ハーゼンヒュットル監督がこの日本人選手にMFとしての可能性を見出し、共に仕事を続けることを望み、また南野自身もプレー機会を多く得られる環境を優先するという考えを持っていることで、相思相愛の関係であるとしながらも、オーストリア人指揮官は代わりの選手の獲得の準備もしながら、リバプールの動きを待っているという。

『Liverpool Echo』は、ユルゲン・クロップ監督の戦術オプションのひとつとされる4-2-3-1のシステムが南野に多くの活躍の機会を提供できると期待し、またサラーらアフリカ系の選手が来年1月に延期されたアフリカネーションズ・リーグのために最長で1か月もチームを離れる可能性があるということで、その穴埋めとしても南野の重要度が増していると分析する。

 多くの可能性が今なお論じられている南野。『THIS IS ANFIELD』が「移籍市場の後半にならないと動きは始まらないだろう」と予想しているように、去就決定までには時間を要するかもしれないが、果たしていつ、どのような結論が出されるのかが注目される。

構成●THE DIGEST編集部