現在は東京オリンピックに向けて準備を進めている久保建英だが、クラブシーンでは来季に向けて、所有元であるレアル・マドリーに留まれるのか、再び武者修行に出されるのか、あるいは売却されるのかなど、その去就が注目されている。

 可能性としては以前から言われているように、フロレンティーノ・ペレス会長らクラブ首脳陣が近い将来の主力メンバーと捉え、また商業的価値も高いとされる久保を放出することは考えられず、一方で「エル・ブランコ」に返り咲いたカルロ・アンチェロッティ監督の構想からは外れているということで、レンタル継続が規定路線だと見られる。

 そこで人々の関心は、20歳の日本人選手がどのクラブに所属するのかに向けられており、2019-20シーズンのレンタル先だったマジョルカ、同シーズンに久保のボスだったビセンテ・モレノが監督を務めるエスパニョールという、来季よりラ・リーガに復帰する2クラブが、ベティスなどの他クラブを新天地候補としてリードしていると言われているが、昨季の彼の所属先だったヘタフェの可能性を訴えるメディアもある。
  マドリーの専門メディア『MANAGING MADRID』は、今夏の同クラブに関する「3つの予測」という記事の中で、久保の再レンタルを要請するために、ヘタフェのアンヘル・トーレス会長や新監督のミチェルがマドリーにコンタクトを取ると綴っている。

 久保にとっては、冬の移籍史上でビジャレアルから編入し、加入直後とシーズン終盤で活躍を見せたものの、他の大部分ではホセ・ボルダラス監督の下で苦しい時間を過ごしたマドリードのクラブが、行き先の候補として挙がっているのは、何よりもマドリーとの関係が深いからだ。A・トーレス会長自身がマドリーのソシオ会員であり、これまでにルベン・デ・ラ・レード、エステバン・グラネロ、ロベルト・ソルダード、ダニ・パレホ、パブロ・サラビアといった選手をマドリーから獲得してきた。

 さらに、両クラブの絆を強くしたのは、10年ぶりにヘタフェの指揮官に復帰したミチェルの存在だ。現役時代はマドリーの攻撃的なMFとして1980年代の黄金時代(リーガ5連覇など)の創成に大貢献したレジェンドは、2005年から他クラブの指揮を執るようになってからも古巣との関係を維持しており、同メディアは「ヘタフェでの補強において、カスティージャ(マドリーの予備チーム)に目を向けるだろう」と綴っている。
  ミチェルやヘタフェ首脳陣の目はもちろん、マドリーのレンタル選手にも向けられており、「このマドリーのレジェンドの指導の下で久保が1年間プレーしたとしても、何ら驚きはない」と同メディアは、レンタル継続の可能性を示唆した。
  采配を執った09年から11年の間に、D・パレホ、ミゲル・トーレス、アドリアン・ゴンサレス、ジョルディ・コディーナ、ペドロ・モスケラといった選手を古巣から獲得してきた指揮官は今夏、同じアクションを起こすのだろうか。マドリーもまた、ヘタフェに久保が留まるのを好ましいと考えていると言われており、両クラブの動向を見守る必要がある。

構成●THE DIGEST編集部