「ただ勝ちたいだけ。それがすべて。自分がどれだけ得点していようと気にしない。スタッツというのは、後で完全に消えてしまうものなのさ。第3クォーターは凄く良かったけど、僕はドリュー(ホリデー)に苦しんでいると伝えていたくらいだからね」

 こう語ったのは、ミルウォーキー・バックスのクリス・ミドルトン。7月3日(日本時間4日、日付は以下同)に行なわれたイースタン・カンファレンス・ファイナル第6戦終了後、そう話して勝利を喜んだ。バックスはこの試合、118−107でアトランタ・ホークスを下し、4勝2敗でシリーズ突破。1974年以来、実に47年ぶりのNBAファイナル進出を決めたのである。

 この日はヤニス・アデトクンボが左ヒザの負傷で2試合続けて欠場したものの、ミドルトンが第3クォーターだけで23得点を叩き出すなど大暴れ。試合全体でもゲームハイの32得点に7アシスト、3スティールをマークし、見事勝利へと導いた。
  ミドルトンはルーキーシーズンをデトロイト・ピストンズでプレーしたのち、2013年7月31日にトレードでバックスへ加入。同年に新人として入団したアデトクンボとともに8シーズンにわたりチームに在籍し、ついに頂上決戦への切符を手に入れた。

「長い旅路さ。でも素晴らしい道のりでもある。十分価値のあるものだ。最初の年は15勝しかできなかったけど、そこからプレーオフへ進み、この2年間はチャンスがあると思っていた。そして今、僕らはようやくこの場に立つことができた。それだけ僕らがこれまで努力してきたということさ」

 そしてミドルトンは「子どもたちは皆、NBAチャンピオンになりたがっている。NBAファイナルでプレーしたがっているんだ。でもそれは簡単にできることじゃない。何度も失敗するけど、諦めずに目指していく。なぜなら、それだけの価値が十二分にあるからなんだ」と胸を張った。

 今季からバックスへ加入したホリデーも「クリスはこのチームのハート、そしてヤニスは僕らのソウルなんだという気がしている。あの2人がいなければ、僕らがこの場にいることはなかっただろうね」と、チーム最古参の2人を称えていた。
  バックスではこの試合、ミドルトンのほかにホリデーが27得点、9リバウンド、9アシスト、4スティール、2ブロックと攻守で躍動。さらにブルック・ロペスは13得点、6リバウンド、3ブロック、パット・カナトンが13得点、8リバウンド、2スティール、ボビー・ポーティスが12得点、9リバウンド、ジェフ・ティーグは11得点、PJ・タッカーも4本のオフェンシブ・リバウンドを含む8リバウンドに5得点、2アシストをあげ、勝利に貢献した。

 6日から幕を開けるフェニックス・サンズとのNBAファイナルに向けて、アデトクンボのステータスはday-to-day(その日のコンディション次第)となっており、初戦から復帰できるかは未定。今季途中にヒューストン・ロケッツから加入したベテランのタッカーは、こう話している。
 「俺たちには全員が必要。それがこのチームの最高なところだと思う。プレーオフを通じて、ベンチ陣は素晴らしかった。このチームの選手それぞれが、何かをもたらしているんだ」

 1971年以来、フランチャイズ史上2度目の優勝を狙うバックスと、チーム創設以来初のNBAチャンピオンを目指すサンズによる、初顔合わせの頂上決戦。開幕前には予想できなかったカードではあるが、優勝にかける熱い思いが交錯し合う、白熱したシリーズとなるのではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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