新シーズンに向け、7月9日に始動したリバプール。南野拓実もチームに合流しており、チームが発表した12日から始まるオーストリアでのプレシーズンキャンプのメンバーにもその名が含まれている。

 ただ、昨季のレンタル先だったサウサンプトンのラルフ・ハーゼンヒュットル監督が、まだ南野の“滞在”の延長を望んでいるとされており、またリバプールの新たな戦力補強や他のチームメイトの動き次第で、彼の去就には様々な可能性があるようだ。

 そんな状況ながらも、現在はリバプールで自身のポジションを掴もうとトレーニングを開始した26歳の日本代表アタッカーに対して、クラブの専門メディア『LIVERPOOL.COM』が「今オフで証明すべきポイント」を提言。「ユルゲン・クロップ監督は南野がチームに戻ることを望んでいる」とした上で、指揮官からの評価をさらに上げるためにすべきことを以下のように綴っている。
 「クロップは、南野が守備に移行した際の相手へのプレッシャーが欠けていることを問題視していた。ボールを持った際のプレーについては、その技術力に疑いの余地はなく、動きも優れていることを、この1年間で証明している。ゆえに、南野はこのプレシーズンで指揮官のアドバイスを活かし、守備面で能力を示して効果的なプレーができることを証明しなければならない」

 同メディアは昨季の南野について、「サウサンプトンでは多くのプレー機会を得たことが、プレミアリーグに順応するのに役立った」と述べているが、『Sports Illustrated』もこれに同調した上で、一方のリバプールではここまで正当なチャンスが与えられていないと主張。彼の売却を検討する前に、改めて「本当のチャンス」を提供するべきと訴えた。

 同メディアは、南野が2000年1月にレッドブル・ザルツブルクから加入してすぐに世界がコロナ禍に見舞われたことで、知らない街でひとり隔離生活を送ることを余儀なくされ、さらに多くの観客の前でプレーすることに慣れていた彼が、新しいチームにおいて無観客という異常な状況下に置かれるという、新たなスタートを切るには幾つもの不利な要素があったことを指摘する。
  サウサンプトンでは徐々に影響力が衰えていったと地元メディアから評されたものの、ニューカッスル戦やチェルシー戦で見せたファインゴールや改善されてきたボールのないところでの動きなどはハーゼンヒュットル監督からは高く評価されており、同じ戦術を採るリバプールでも、良いプレーを見せる可能性は十分にあるという。

 同メディアは、南野のリバプールでのライバルとされるアレックス・チェンバレン、ディボック・オリギ、ジェルダン・シャキリとの比較において、クロップ監督にとっては誰よりも優れた選択肢でありながら、最も公正なチャンスを与えられなかった唯一の存在であるとも主張している。
  モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、ディオゴ・ジョッタを差し置いてポジションを獲得する可能性は低いものの、多くの仕事がこなせるFWとして、必要に応じて攻撃の様々なポジションをカバーできる南野が、流れを変えるバックアッパーとしての役割を与えられ、時にスタメンとしてピッチに立つことになれば、意外と早くブレイクできるとさえ、同メディアは期待する。

 多くのメディアが指摘している通り、来季はアフリカネーションズ・カップ(来年1月開催)でアフリカの選手が最大1か月超チームを離脱することが考えられることもあり、もしリバプールに残留することになれば、南野がサラー、マネに代わって重要な役割を担う可能性もある。チームの補強状況なども踏まえて、果たして彼がいかなるキャリアを歩むことになるのかが非常に気になるところだ。

構成●THE DIGEST編集部