テニスの場合はグランドスラムのローランギャロスとウインブルドンで、政府の政策に従い様子を見ながら観客数を増やしていきました。ウインブルドンでは最終的に満席で終えた上に、マスク着けてる人もほとんどいませんでした。

 東京オリンピックは無観客で行なわれることになりましたが、やはりワクチン接種が進んでいるかどうかという点で大きな違いがあるのでしょう。日本はまだワクチン接種が進んでいない状況ですから、その中でこれだけ大規模なスポーツイベントを実施するとなると、無観客は仕方がないかと思います。

 選手たちはオリンピックを目標に4年間、もしくは4年以上かけて日本代表として戦えるように準備をしてきたわけですから、どんな形であれ開催されることはとても意味のあることです。

 とはいえ、自国開催ということで、見る側も含めてすごく盛り上がることをイメージしていたはずですが、そこから大きくかけ離れるオリンピックになるとは思います。でも、良くも悪くも結局は盛り上がって、それがエネルギーになったりプレッシャーになったりしていく。そういう感じを目の前で観客とシェアできないのは、選手にとってはとても残念ですね。
  私がオリンピックでよく見る競技は、一般的ですが水泳や陸上。飛び込みは意外と好きで、ルールはわかりませんが、「今のはいいんじゃない?」とか勝手に審査しながら見ています(笑)。

 水泳や陸上は細かいルールを知らなくても、結果がパッと出てわかりやすくて盛り上がれます。あと、比較的短い時間で結果が出るのもいいですね。ルールや選手を知らなくても、オリンピックという雰囲気を味わえます。

 水泳では池江璃花子選手が注目されていますが、私も彼女の驚異的な復活には驚きました。病気を克服して戻ったばかりの時は、まだ身体の線が細かったけれど、それから半年ぐらいでアスリートらしい身体つきになっていました。こんなに急激に追い込んで大丈夫かと余計な心配をしたほどです。病気をする前の状態に戻っているとは思えませんが、乗り越えてきたことを考えると十分に仕上がっているように感じます。

 テニスでは、大坂なおみ選手と、青山修子/柴原瑛菜ペアにメダルのチャンスがあると思います。周りも選手も結果を求めますが、自国開催という特別な状況ですし、グランドスラムが続いた中での大会で難しい部分もあります。出場する選手が、自分が納得のいくプレーができれば、どのような結果でも受け入れられるのかなと思います。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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