現地時間8月31日、『The Philadelphia Inquirer』のキース・ポンペイ記者は、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのベン・シモンズがチームに残る意思がない点、そして9月28日からスタートするトレーニングキャンプにも不参加の意思を固めたと伝えた。

 昨季プレーオフで苦手なフリースローを意図的に打たされ、ことごとく落としてしまったシモンズは、34.2%という壊滅的な成功率に終始。シクサーズの戦犯としてクローズアップされていた。

 とはいえ、シモンズは25歳とまだ若く、211センチのサイズを誇る超大型ポイントガード。昨季までの4年間をシクサーズでプレーし、計275試合の出場で平均15.9点、8.1リバウンド、7.7アシスト、1.7スティールを記録。オールスターには3年連続、オールディフェンシブ1stチームには2年連続で選ばれている。

 昨季もシモンズはイースタン・カンファレンス首位の49勝23敗(勝率68.1%)を残したチームで、ジョエル・エンビード、トバイアス・ハリスと並んで主軸を担っていただけに、もし移籍となればシクサーズとしてもチーム構成の変更を余儀なくされる。

 そんななか、今夏シクサーズと再契約を結んだダニー・グリーンがハワード・ベック記者のポッドキャスト番組『The Crossover』へ出演。シモンズの移籍騒動について心情を語った。
 「こう言うのは辛いんだけど、僕らは彼がチームに戻ってくるのか分からないんだ。(トレードで)ポイントガード、もしくはウィングも取ることになるかもしれない。それはチームが大幅に変わるということ。僕は(シモンズとは)タイプの違う選手とプレーするだろうし、控えに回るかもしれない。このチームが(見返りとして)どんな選手を獲得するのかが分からないんだ」

 NBAキャリア12年を誇るグリーンは攻守で活躍が見込め、3チームで優勝経験を持つ名脇役。そんな34歳のベテランから見ても、シモンズのディフェンス面の貢献度は絶大だったようだ。

「(シモンズが抜けたら)僕がチームのトップディフェンダーになるかもしれない。別にこのチームにはディフェンダーがいないと言っているわけじゃない。僕とマティス(サイブル)がいるからね。でもベンは僕らにとってディフェンス面で大きな役割を担っており、このチームのDPOY(最優秀守備選手賞)だったのさ。チームの皆は、彼があの賞を取るべきだと思っていた」
  昨季のオールディフェンシブ1stチームにはシモンズとルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)が満票で選ばれており、DPOYの投票ではゴベアが464ポイントでシモンズ(287ポイント)を制したのだが、グリーンはこう話す。

「別にゴベアを見下しているんじゃない。彼はいつだって素晴らしいシーズンを送ってきたからね。だけど、ベンは1番(ポイントガード)から5番(センター)までガードできるし、このチームの雰囲気を整えてくれるんだ。だからもし彼が抜けたら、攻守で大きな変化を求められると思う。だから、チームが見返りとして誰を獲得できるかが重要になってくる」
  昨季シクサーズはエンビード、シモンズ、ハリス、グリーン、セス・カリーという先発陣で27勝5敗(勝率84.4%)という好戦績を残していただけに、グリーンとしてもシモンズのトレード要求は残念だったのだろう。

 だがシモンズとシクサーズの関係は修復不可能なところまで悪化している。これを考えれば、遅かれ早かれトレードが実現するだろう。はたして、イースト屈指の強豪はどんなチームへと変わるのだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)