テニスの四大大会「全米オープン」(8月30日〜9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート/グランドスラム)は、大会6日目の現地9月4日に男子シングルス3回戦を実施。世界ランク56位の錦織圭は同1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に7−6(4)、3−6、3−6、2−6の逆転で敗れ、同大会3年ぶりの4回戦進出を逃した。

 直近で16連敗を喫しているジョコビッチに対し、錦織はコート中央への配球を中心としたストロークでミスを引き出し、第1セットをタイブレークの末に先取。だが、その後は先にブレークを許す展開となり、第2・第3セットを立て続けに落とすと、第4セットでも2つのブレークを喫して万事休す。絶対王者の牙城を崩すことはできなかった。

 敗れはしたものの、2018年のウインブルドン準々決勝以来約3年ぶりにジョコビッチから1セットを奪った錦織。ストローク戦で主導権を握るため、自身のプレーに変化を加えたという。

 試合後の記者会見では「オリンピックの時もちょっと違うようにプレーしようと思っていたけど、今日もかなりプレーの内容を変えていこうと思って臨んだ。(具体的には)じっくりラリーをしていこうとした」と明かし、「それがうまくいったのか、ミスも誘えたし、パフォーマンス自体は良かったと思う。全体的に悪くはなかったと感じるし、やっとジョコビッチに対してもプレッシャーを掛けられた試合になった」と一定の手応えをつかんだようだ。
  敗因については「(その変化を与えたプレーが)続かなかったのと、彼(ジョコビッチ)のアグレッシブなプレーを止められなかったし、サービスの(精度の)差も大きかった」と語った上で、「彼との最近の試合の中で一番良かった。でも、さらにレベルを上げてくる彼についていけなかった。彼をまた越えることができなくて残念に思う」と悔しさを滲ませた。

 一方、この試合に勝利したジョコビッチは試合後のオンコートインタビューで「しっかり勝ち切ることができてよかったと思う」と喜びを表現しつつも、「今日のケイのレベルには驚いた。彼は今日、多くの観客から拍手を送られるべきだ。ナイスプレーだったと思うし、1回戦、2回戦とは全く違うレベルの相手だった」と健闘を見せた錦織を称賛した。

「(プレーは)確実に徐々に良くなってきているし、2回戦のような厳しい試合を制したのも大きな勝利だった」と前向きな言葉で今大会を総括した錦織。以前から右肩の状態に不安を抱えていることを明かしていただけに、まずはしっかりと身体を休めてもらいたい。

文●中村光佑

【PHOTO】全米オープン2021で躍進する錦織圭!