今季が開幕してから、リバプールはプレミアリーグで5試合、チャンピオンズ・リーグ(CL)で1試合を消化し、トータルで5勝1分けという好成績を挙げ、チームとして好スタートを切ったと言えるが、一方で南野拓実はここまで1秒たりともピッチに立てないでいる。

 夏のキャンプインからチームと行動を共にし、プレシーズンで2ゴール(他にオウンゴールと記録されたシュートもあり)を挙げるなど結果を残した際には、ユルゲン・クロップ監督から絶賛され、現地メディアからも「チームの秘密兵器」と期待を寄せられた26歳の日本人アタッカーは、万全の準備をして3シーズン目に突入したはずだった。

 しかし、モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、ディオゴ・ジョッタの「ビッグ4」が開幕戦から得点力を発揮したことで付け入る隙がなく、代表ウィークに入る前にフィルミーノが負傷離脱した際にはチャンス到来かと思われたが、南野自身が日本代表で左大腿部を負傷。間もなく回復するも、チーム練習復帰の翌日に行なわれたCLでは「バックアップ組」のライバルであるディボック・オリギが起用されて同点アシストで存在感を示すことに……。

 そして、直近に行なわれたプレミアリーグ第5節のクリスタル・パレス戦でもベンチ入りした南野だが、昨季はプレミアリーグでの初ゴールを決めたこの記念のカードでもクロップ監督から声はかからなかったことで、失望した南野のファンは少なくなかった。
  ただ、リバプールは21日にカラバオ・カップ(リーグカップ)3回戦ノリッジ戦を控えており、ここではメンバーの大幅な入れ替えが行なわれることが濃厚とされ、南野の今季初出場が実現すると、多くの現地メディアが予想している。

 リバプールの地元紙『Liverpool Echo』は、「チャンスを辛抱強く待っていた選手がいるとすれば、それは南野だ。この日本人選手は、前線をオーバーホールする中で、左サイドに位置することが予想される。そして、CLミラン戦で感銘を与えたオリギはセンター、そしてエキサイティングな16歳の新加入ウインガー、カイデ・ゴードンも、スタメンではなくとも、右サイドで試合に関与するかもしれない。いずれにせよ、火曜日のメンバーに『ビッグ4』の選手が含まれれば驚きである」と綴った。

 また、リバプールの専門メディア『THIS IS ANFIELD』は「カラバオ杯はクラブの成功を示すものではなく、ノリッジ戦ではチーム全体に多くの変更が加えられる。“本物のキープレーヤー”ではなく、南野、オリギがメンバーに入るはずで、ゴードンにチャンスが与えられるのを見るのも素晴らしいことだ」と、厳しい表現をまじえながら、南野のスタメン入りを予想している。

 同じく専門メディアの『ANFIELD WATCH』も同じ展望を示した上で、南野について「日本代表で速すぎる怪我を負った彼にとって、この試合は何よりも重要なものとなる。良いパフォーマンスを見せ、さらにゴールを挙げるようなことがあれば、我々は彼が今後のリバプールでより多くのチャンスを得られるところを見られるだろう」と指摘した。

 リバプールの前線については、同クラブの偉大なOBであるマイケル・オーウェンが間もなく30代に突入するサラー、マネ、フィルミーノの「フロント3」の世代交代を、またバックアップの選手層の手薄な現状を鑑みて、補強を訴えている。そんな中で、南野は次世代の「レッズ」において有用な戦力であることを示す必要があり、数少ないチャンスを活かすことが求められる。

構成●THE DIGEST編集部