F1のスクーデリア・アルファタウリは今季、コンストラクターズランキング5位を目標に掲げ、第13戦オランダ・グランプリまでは唯一の全戦ポイント獲得チームとして順調な歩みを見せてきたが、続くイタリアGP、ロシアGPではメカニカルトラブルや戦略ミスによって連続で入賞を逃してしまっている。

 現在は6位につけ、アルピーヌには19ポイント差をつけられた状態で終盤戦に突入しようとしているところで、チームのフランツ・トスト代表がアルファタウリの今後、来季の残留が決まったピエール・ガスリー、角田裕毅に対する印象、さらにはドライバーズランキングの展望などについても言及した(専門メディア『F1 INSIDER』より)。

 足踏み状態となってしまったここ数戦を振り返り、「物事がうまくいかない時、私は数日間は不機嫌になるが、モンツァ、ソチと続いてしまっている。とにかく、エラーを分析して次戦で結果を出すよう努めるだけだ。もっとも、現在はこんな状況にもかかわらず、今季はここまでとても順調に進んでいる」とポジティブに語った。
  話はドライバーに移り、ルーキー角田のここまでのF1キャリアを「より困難なものだった」と回想。これまでにも幾度か語っているように「とりわけ現在のF1は若いドライバーにとって困難かつ複雑なものであることを示している」と、ルーキーにとっては不利な状況であるとし、「角田は順調にスタートしたが、その後は“やり過ぎ”、いわゆる『クラッシュ期』に突入した。これは全ての若いドライバーが経験するもので、ここで彼は限界というものを知った」と、予定通りの道のりを進んでいると強調した。

 その上で、「彼はF1で間違いなく、新しいことを学んでおり、それがブダペスト(ハンガリーGP)での6位という好結果に繋がっている。そして将来、彼は非常に良い結果を出して我々を驚かせるだろう」と予想。また、早めの残留決定については「彼も驚いており、私は理由を説明した。若いドライバーにチャンスを与え、すぐに捨てるのは意味がない。角田には可能性があり、学んでいる最中であり、一緒に仕事を続けることに何ら疑問の余地はなかった」と、改めて語っている。
  ただ、角田が今後も“安泰”であるというわけではなく、チーム代表はレッドブルのジュニアプログラムの人材についても言及し、「F2の優れたドライバーが控えている。今後、アブダビでのヤングドライバーテストにも出場するリアム・ローソン、ユーリ・ヴィップスの2人だ」と、ある意味、「後がつかえている」状況であることを示唆。ちなみに、レッドブル・グループ以外では、オスカー・ピアストリ、テオ・プルシェイア、ロバート・シュワルツマンの名を挙げ、「いずれも間違いなく、未来のF1ドライバーだ」と太鼓判を押した。

 続いて、今季のチームのランキング争いにおいて重要な役割を担うガスリーについては「非常に重要な存在であり、豊富な経験で我々を導いてくれる。彼はマシン開発において、正しい方向性を示してくれた他、車にぴったり合うドライビングスタイルを見出した」と賛辞を贈り、このフランス人ドライバーがレッドブルに再昇格できずに失望したというニュースを受けて、「ピエールは、我々との仕事に快適さを感じている。我々は、彼の願いは全て叶えてあげたいと思う。まだ若いし、時間は十分にある」と語っている。
  最後にレッドブル・グループの一員であるトスト代表は、メルセデスと激しくチャンピオン争いを展開している“姉妹チーム”にも触れ、今季は“絶対王者”ルイス・ハミルトンを凌駕するほどの勢いを見せているマックス・フェルスタッペンに、初戴冠の可能性が十分にあると確信している。

「ザントフォールトで大きな期待とプレッシャーをかけられながら、母国の熱狂的なファンの前で、常にライバルに対して優位性を保ち続けたのだから、もはや彼が恐れるものは何もない。あのレースには感動した。今後もハミルトンとのエキサイティングなレースが展開されるだろうが、最終的にマックスがタイトルを獲得できれば最高だ。彼を過去の偉大なドライバーと比較するのは難しいことだが、リスクを恐れない意思と勝利への強い意欲を見ると、アイルトン・セナのようなタイプのドライバーになる可能性が高いと思う」

構成●THE DIGEST編集部

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