現地時間10月4日(日本時間5日、日付は以下同)に行なわれたマイアミ・ヒートとのプレシーズン初戦で、右大腿四頭筋を打撲したアトランタ・ホークスのトレイ・ヤング。若きエースはその後2試合を欠場し、14日のプレシーズン最終戦で復帰すると、同じくヒート相手にいずれもゲームハイとなる27得点、15アシストを叩き出し、チームを127−92の快勝に導いた。

 一昨季にオールスター初選出を飾ったヤングは、昨季オールスター入りこそ逃したものの、リーグ14位の平均25.3点、同2位の平均9.4アシストをマーク。アシストは2シーズン連続でリーグ2位と、継続して好成績を残している。

 そして初のプレーオフとなったニューヨーク・ニックスとの1回戦では、初戦で決勝弾となるフローター、第5戦でも相手に引導を渡すディープ3を放り込み、4勝1敗でシリーズを突破する原動力に。カンファレンス準決勝でもイーストトップシードのフィラデルフィア・セブンティシクサーズを4勝3敗で破り、チームをカンファレンス決勝まで導いたことは記憶に新しい。
  フロントコートにジョン・コリンズやクリント・カペラ、ダニーロ・ガリナーリを擁し、バックコートにはボグダン・ボグダノビッチやケビン・ハーター、ルー・ウィリアムズ、デロン・ライト、ウイングにもディアンドレ・ハンターにキャメロン・レディッシュといった実力者を有するホークス。昨季の快進撃に続き、今季もイースト上位を窺えるだけの戦力を有している。

 しかしそのなかでも、ヤングは相手チームから最も警戒される選手であり、リーグ有数のスターへと到達しつつある。

 23歳のライジングスターについて、ベテランのウィリアムズは15日に地元メディア『The Atlanta Journal-Constitution』のインタビューで、ニックスとシクサーズのファンはヤングを「嫌うべきだ」と語っている。

「そうすべきだね。彼は凄く才能があるし、フランチャイズを引っ張っていくチャンスがある。それにまだ若いんだ。そしてもちろん、彼がニックス、シクサーズのためにプレーすることはない。だからこそ、彼らはヤングを嫌うべきなのさ。彼は相手をやっつけたんだから。それが現実であって、現に彼はそれを喜んでいる。アトランタではヒーローになっているのだから」
  昨プレーオフ、ニックスの本拠地マディソンスクエア・ガーデン(MSG)に集まり、大声援を送っていたファンへ向かって、ヤングは両腕をクロスさせながら擦り「全然熱狂的じゃないじゃないか」と挑発したり、決勝弾を沈めた後にアウェーの観客へお辞儀をするなど、レジー・ミラー(元インディアナ・ペイサーズ)を彷彿させるようなジェスチャーでニックスファンを苛つかせていた。

 シクサーズのファンにとっても、チャンピオンシップ獲得に向けてプレーオフで好発進しながら、思わぬ伏兵の前に敗れたのだから、その主砲であるヤングを嫌っても決して不思議ではない。
  ただ、ヤングはヒール役を楽しんで演じている節もある。アウェーゲームで大ブーイングを浴びれば、それを黙らせるべくモチベーションを高めて返り討ちにしてしまう可能性があるだけに、毎回ブーイングで攻め立てるのは得策とは言えないかもしれない。

 はたして、昨季のプレーオフで一気に名を上げたヤング率いるホークスは、今季もイースト上位の戦績を残し、ポストシーズンを勝ち上がることができるのか。今季初戦は21日のダラス・マーベリックス戦。ヤングとルカ・ドンチッチという、2018年のドラフト組で最高の出世頭たちがシーズン初戦で激突するのだから、盛り上がること間違いなしだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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