昨季イースタン・カンファレンス1位の49勝23敗(勝率68.1%)を残したフィラデルフィア・セブンティシクサーズは、今オフに主力のベン・シモンズがトレードを要求したが取引は実現せず、本人はチームを離脱していた。

 だが、そこからフロント陣ならびにドック・リバース・ヘッドコーチ(HC)と、代理人のリッチ・ポールの話し合いによって事態が好転。シモンズは現地時間10月17日(日本時間18日、日付は以下同)に今季初めてチーム練習に参加し、今季もシクサーズでプレーする方向で話が進んでいる。

 もっとも、シモンズはトレーニングキャンプはおろか、プレシーズンゲームも全休。リバースHCは「彼を見たが、まだゲームシェイプではないのは明らかだ」と調整不足を指摘しており、20日に行なわれるニューオリンズ・ペリカンズとの開幕戦に出場できるかは未定だ。

 ただ、トバイアス・ハリスは「僕らはそれぞれ仕事としてここにいる。バスケットボールのゲームに勝つためだ。そのために彼をフロアに立たせて、自分たちがやるべきことをしていくだけ」とシモンズ復帰を歓迎。

 続けて「ここにいる連中は成熟した男たちなんだ。ここは中学校じゃない。だから僕らはできるだけ早くフロアに立って、バスケットボールをしていくだけさ」と決意を述べた。

 このチームにはジョエル・エンビードというリーグ最高級のビッグマンがいるほか、ハリスやセス・カリー、ダニー・グリーンという昨季の先発陣も健在。

 ベンチにもアンドレ・ドラモンドやマティス・サイブル、タイリース・マキシー、シェイク・ミルトン、フルカン・コルクマズといった実力者が控えており、シモンズ不在でも十分戦えるロースターを形成している。
  そして今夏、シクサーズは新たなシューターとしてジョージ・ニアンも加えた。28歳のフォワードは昨季までユタ・ジャズに4シーズン在籍しており、3ポイント成功率は3シーズン連続で4割以上、昨季は自己最高となる42.5%(平均1.7本成功)をマークした。

 ベテランのグリーンは「彼は僕らにとってアーミー・スイス・ナイス(万能なオプション)のようなもの」と切り出し、こう期待を寄せている。

「彼は素晴らしいシューターで、高いバスケットIQもある。ハンドリングもできるし、ピック&ロールも、スラッシュだってできる。僕らが必要とすることをこなせるのさ。ブルーカラーな男で、究極のチームプレーヤーだから、すぐさまフィットするさ。(彼の加入で)セカンドユニットのボールムーブも良くなるさ」

 ニアンは「僕はいつもでしゃばることなくやってきた。チームの勝利を助けるために、求められることをやってみせるよ」と話しており、新天地でもロールプレーヤーとして重宝されるだろう。

 シーズン開幕の約1週間前に合流したシモンズが序盤戦からプレーできるかはまだ分からないものの、ドラモンドやニアンといった新戦力が期待通りの働きを見せれば、今季もシクサーズはリーグ屈指の強豪チームであり続けるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)