日本球界が誇るエースが、23年に及んだプロ生活に終止符を打った。西武ライオンズの松坂大輔である。
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 10月19日に行なわれた日本ハムとの引退試合は、こだわり抜いてきた「先発」でマウンドに立った。わずか5球で最速は118キロ。そこに全盛期の面影はなかったが、右手のしびれと闘いながら懸命に腕を振る背番号18の最後の雄姿は、固唾を呑んで見守ったファンの心を打った。

 そんな“平成の怪物”の姿に、共に球界を支えてきたレジェンドたちも想いを馳せる。そのうちのひとりが、元ソフトバンク・ホークス(前身のダイエー時代を含む)の斉藤和巳氏だ。

 現役時代にホークスの象徴として君臨した右腕は、松坂とも激闘を繰り広げてきた。とりわけ最多勝を争った2006年のクライマックスシリーズ第1戦での対決は、球史に残るエース対決と語り継がれるほどの名勝負だ。ちなみに松坂と最も多く投げ合ったのが斉藤氏で、通算対戦成績(9回)では5勝4敗と勝ち越している。

 そんなパ・リーグの一時代を築いた名投手は、10月20日に自身のインスタグラムを更新。「これだけ『18』が似合う男もなかなかいない」と良きライバルであった松坂への想いを綴った。

「最後の投球を…見届けさせてもらった。個人的には…自分の力以上のものを出させてもらった投手。同じ時代に生き…同じ時代に投げ合えた事が…今日の自分に繋がっている」
  そして斉藤氏は松坂を筆頭とする名手たちの集う「松坂世代」にも言及。「どれだけ頑張っても…この後輩たちには勝てない」と赤裸々に言葉を続けた。

「当時のチームメイトにもワッチ(和田毅)、スギ(杉内俊哉、渚(新垣渚)と…松坂世代に囲まれた現役当時。どれだけ頑張っても…この後輩達には勝てない…世間の人から評価されない…ただ…唯一勝てる可能性があったのが『トータルの結果』!

 そこに拘った! シーズンが終わった時に…『松坂世代』より何か一つでも良いから、結果が上回る事で、自分で自分を褒めたかった。近くの『松坂世代』のお陰で…妬みや嫉妬しやすくなった。言葉や行動には出さんけどね。ただそれが…自分の“力の源”になった事は間違いない! 自分の力以上のもの出させてくれた存在」

 球界屈指の黄金世代への“本音”を包み隠さずに記した斉藤氏は、「本当に怪物と感じたのは…日本に帰って来てからの大輔の姿。並の投手では、なかなか耐えられるものではないはず。色んな角度から叩かれまくってた。それでも“投げる”事を選び続けて来た」と、もがいてきた松坂を称賛。そして「普通じゃない」と強調した。

「松坂大輔という怪物は…精神的強さの怪物やったと…個人的には思った。『とことん悪あがきしたれ!』。会う度に、そう話してた。スーパースターが、ここまで"悪あがき"なんて簡単には出来ひん。そういう姿を見続けて来て…やっぱり松坂大輔には勝てない事が…『自信から確信に変わった』。そんな投手の最後の勇姿。マウンドと18番が似合う。ワインドアップも似合う」

 熱き勝負を演じてきた松坂を「投手らしい投手」とも称えた。そんな元ホークスのエースは、「大輔、現役生活本当にお疲れ様。そして…ありがとう。心から感謝してる。ゆっくり休んでほしい」と労をねぎらった。

構成●THE DIGEST編集部

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