まさに日本球界のエースと呼ぶにふさわしい圧巻のシーズンだ。10月27日にパ・リーグ制覇を決めたオリックス・バファローズの山本由伸である。

 高卒5年目を迎えた23歳は、向かうところ敵なしだ。目下、球団新記録となる15連勝で18勝をマークし、最多勝、最高勝率(.783)、最優秀防御率(1.39)、最多奪三振(206)、最多完封(4)の投手5冠が濃厚となっている。

 ちなみに数多の名投手が生まれた日本球界にあって、投手5冠達成者は、沢村栄治(巨人)や杉下茂(中日ドラゴンズ)ら史上8人しかいない快挙だ。最後に生まれたのは、2006年の斉藤和巳(当時ソフトバンク・ホークス)である。

 レジェンドたちの領域に達したと言っても過言ではない。それを如実に物語るのが、山本が残したスタッツの数々だ。そのなかでFIPと奪三振力をクローズアップしていきたい。
  まず、FIPから見ていく。これは、いわゆる投手の責任範囲とされる被本塁打・与四死球・奪三振から数値を算出する指標だ。防御率は守備の要素や運の要素によって大きく左右されるため、このFIPが見直されている。

 数値が低いほど投手の能力が高さを示すのだが、今季の山本はなんと1.74。もちろんこれは12球団の投手の中でトップの値で、2位の柳裕也(中日/2.55)にも大きく差をつけるものとなっている。

 そして何よりも特筆すべきは奪三振力だろう。MAX158キロの速球とフォークなどの多彩な変化球を操る山本は、K%(奪三振÷打者)が28%と両リーグトップ。さらに奪三振の多さと与四球の少なさを示すK/BBも5.15と、2位の加藤貴之(日本ハムファイターズ/4.90)を寄せ付けていない。

 これらの指標だけでなく、山本の今季リーグトップの記録は数えきれないほどだ。下記に列挙してみよう。

最多勝=18勝
最高勝率=.783
最優秀防御率=1.39
最多奪三振=206
最多完封=4
投球回=193.2
被打率=.182
FIP=1.74
K/BB=5.15
BABIP=.243(※千葉ロッテマリーンズの小島和哉と同率)

 前代未聞の10冠(!?)は、山本の投手能力の凄まじさを物語る。東京オリンピックに出場した今夏には、「国際的にあまり馴染みはないが、数年のうちにMLB球団から入札されるであろう」(『FanGraphs』)と米メディアからも太鼓判を押されただけに、さらなる飛躍が楽しみだ。

構成●THE DIGEST編集部

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