NBAは2021-22シーズンから、「シューターが異常な角度でディフェンダーに当たりにいく」「シューターが異常な角度で足を上または横に蹴る」「シューターがディフェンダーの腕に絡ませてシュートを狙う」「シューターが異常な角度でディフェンダーに当たりにいく」といったファウルを誘うための“バスケットボール以外の動き”を禁止した。

 昨季までは一連の動きはテクニックのひとつだったが、フリースローの機会が増え、試合時間が長くなるといった問題もあり、NBAはルール変更に着手したのである。

 その結果、ブルックリン・ネッツのジェームズ・ハーデン(7.3→5.3)やアトランタ・ホークスのトレイ・ヤング(8.7→5.3)、ダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチ(7.1→4.7)といったファウルを受ける回数の多かった選手たちのフリースロー試投数は、昨季と比べて減少している。

 フリースロー試投がルーキー時代(5.1)の水準まで下がったヤングは、「ルール変更には賛成」としつつも「それでもまだファウルがある」と主張。一方、ゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンは、「酷いコールのないバスケに満足している」と好意的に受け止めている。

 そんななか、2000年代に名ディフェンダーとして鳴らし、04年には最優秀守備選手賞を受賞、2010年にはロサンゼルス・レイカーズで優勝を経験したメッタ・ワールドピースが、ルール変更について言及した。
  NBAで16年間プレーしたワールドピースはポッドキャスト番組『PostedUpwith Chris Haynes』に電話出演し、「これら(以前)のルールを作ったのはゲームをプレーしたことがない人たちだから、変更するのに7年もかかる。彼らはフルコートのゲームをプレーすべきだ」と苦言。

 続けて「だから、(彼らは)スーツを脱いで、ボタンを外し、Tシャツを着て、ショーツを履いて、いまいましいゲームをプレーするべきだ。それを理解するのに7年もかからないだろう」と、このルールをもっと早く採用すべきだったと持論を述べた。

 さらにワールドピースは、試合の感触を保つためレフェリーも現在のバスケットをプレーした方がいいと提案している。

 現役時代にフィジカルかつ攻撃的な守備で相手のエースを苦しめ、ディフェンダーとしての地位を確立したワールドピース。そんな彼にとってオフェンス側が有利で、ディフェンス側がすぐにファウルを吹かれる現在のNBAは、耐え難かったようだ。

 なお、11月2日時点でリーグ全体の平均ファウルは19.2と昨季の19.3とほとんど変わらないが、フリースロー試投数は19.9本と昨季の21.8本から2本近く減少している。

構成●ダンクシュート編集部