32歳のオールドルーキーが、鳴り物入りで加わったMLBでの1年目を終えた。ボストン・レッドソックスの澤村拓一だ。

 今年2月に2年総額300万ドル(約3億1800万円)という契約でレッドソックス入りを決めた澤村は、リーグ優勝決定戦にまで進んだチームにあって、コンスタントに貴重な中継ぎとして活躍。53イニングを投げて防御率は3.06、奪三振率は10.36と、まずまずの成果を上げた。
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 もっともFIP(投手の責任範囲とされる被本塁打、奪三振、与四球を基に算出する値)は5.00で、BB/9(9イニングあたりの平均与四球数)が5.43と、日本時代から課題の制球力が足を引っ張った感は否めない。

 ゆえに辛口で知られるボストン・メディアの評価もさまざまである。まず、好意的な評価を下したのが、地元紙『Boston Herald』だ。同紙はレッドソックスの1年を振り返る通信簿企画において澤村に「B−」の評価としたうえで、次のように論じた。

「日本のベテランは浮き沈みが激しかった。だが、彼がアメリカで1年目のシーズンであったことを踏まえれば、中継ぎとして53イニングを投げ、防御率3.06は評価に値する。また、サワムラの速球とスプリットはMLBレベルでも十分に通用すると証明された」

 一方で厳しく断じるのが、米紙『Eagle Tribune』だ。同紙は『Boston Herald』と同様の通信簿企画において、澤村に「B」の評価をつけながら、次のようにレポートしている。

「サワムラのメジャー1年目は良いものと悪いものがごちゃ混ぜになっていた。彼は53イニングで防御率3.06、さらに61人の打者から三振を奪った。だが、一方で指揮官のアレックス・コーラからの信頼を徐々に失い、ポストシーズンのメンバーから外されもした」
  及第点よりもやや低い評価を下された澤村。それを裏付けるように専門メディアは今冬の中継ぎのテコ入れを指摘している。レッドソックスをこよなく愛する『Over The Monster』は、「来るストーブリーグの補強において最も重要となるのが、リリーフ陣だ」と訴えている。

「マット・バーンズ、ジョシュ・テイラー、ライアン・ブレイジャー、ダーウィンゾン・ヘルナンデス、ヒロカズ・サワムラ。レッドソックスにはたしかに駒が揃っており、そこから人材を削る必要はないが、明らかに新しい顔を加える必要がある。中継ぎ投手に多額の費用をかけるのは良くないと見る向きもあるが、基本的に成功する例が多い。それだけにレッドソックスは力を持った中継ぎをこの冬に迎え入れなければならない」

 注目されたMLBでのルーキーイヤーをまずまずの成績で終えた澤村。慣れも出てくる来シーズンは、さらなる飛躍が期待されるが、はたして――。

構成●THE DIGEST編集部