「ステフが数多くのオープンショットを打てていたことがクレイジーだった。彼は歴代でベストなシューターだ」

 アトランタ・ホークスのトレイ・ヤングは、現地時間11月8日(日本時間9日)のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦に113−127で敗れた後にそう漏らしていた。

 ステフとはウォリアーズが誇るスーパースター、ステフィン・カリーのこと。試合は前半を終えてホークスが65−61でリードしていたものの、ウォリアーズが第3クォーターに41−20と爆発して逆転。

 カリーはこのクォーターだけで18得点を奪ったほか、試合全体でフィールドゴール50.0%(14/28)、3ポイント47.4%(9/19)にフリースロー100.0%(13/13)を叩き出し、ゲームハイの50得点に7リバウンド、10アシスト、3スティールの超絶パフォーマンスでチームを5連勝へと導いた。

 一方のヤングも28得点、9アシストと好成績を残したものの、カリーを止めることができず、チームは4連敗を喫した。

 もっとも、ホークスのネイト・マクミラン・ヘッドコーチ(HC)は後半のディフェンスについて「危機感が欠如していたとは思わない」と話していたように、決して守備が崩壊していたわけではなかった。

 前述の通り、第3クォーターにウォリアーズに41得点を奪われたホークスだが、カリーはチームで演出したオープンショットこそあったものの、タフショットも多かった。
  にもかかわらず、33歳のスコアラーはホームに集まったファンの大歓声を背に次々とショットを沈めてみせた。

 今季リーグ最多となる50得点を叩き出したカリーだが、ホークスの実況は第4クォーター残り約4分に50得点目となるフローターを放り込んだことに腹を立てていた。

「オーケー。これで50得点目ですね。でもそれは本当に重要なことでしょうか? 彼はチャンピオンシップを複数手にし、MVPにも輝いており、殿堂入りする選手です。48得点から50得点する必要があるのでしょうか。私には意味が分かりませんね」

 そう話していたのは、ホークスの試合を25年間に渡って放送しているボブ・ラスバン。この時点でスコアは119−99とウォリアーズが20点もリードしており、すでに勝敗はおおよそ決定していた状況で、「50得点に乗せる必要があったのか?」ということなのだろう。

 ウォリアーズからすれば、ホークスには爆発力があるため残り4分の時点ではセーフティーリードとは言えなかったのだろう。カリーとしても自身の仕事をやり切っただけで、批判されるいわれはないのだから。

 両チームの次戦は来年3月25日。まだ先のことではあるが、カリーに大爆発を許して逆転負けを喫したホークスの選手やコーチ陣は、ホームでリベンジの機会を狙っているはずだ。

文●秋山裕之(フリーライター)