「悪夢は晴れないのか……」。セ・リーグファンのため息が聞こえるような試合となった。

 11月20日に開幕した日本シリーズはその初戦、まさか、まさかの展開でオリックスがヤクルトに4対3でサヨナラ勝ち。第2戦以降の激闘を予感させる幕切れとなった。

 山本由伸と奥川恭伸の投げ合いは5回までスコアレスだったが、6回にヤクルトが先制。オリックスは7回に代打モヤの同点アーチが飛び出すも、直後の8回、ヤクルト4番・村上宗隆が2ランを放って勝負ありに思えた。

 しかし9回、オリックスはマクガフを攻め立て無死満塁のチャンスを作ると、宗佑磨のセンター前適時打で同点、最後は首位打者・吉田正尚が決めて大逆転勝利を収めた。

 もっとも、ヤクルトにとって最悪の第1戦は、ある意味で「やはり」と呼べるものだったかもしれない。

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  実は、セ・リーグのチームにとってパ・リーグの本拠地は鬼門中の鬼門だからだ。何と、セ・リーグ球団は2013年第6戦を最後に、8年間にわたってパ・リーグ球場での日本シリーズで白星を挙げられていないのである。

・13年第6戦:●楽天2−4巨人〇(クリネックススタジアム宮城)
・13年第7戦:〇楽天3−0巨人●(クリネックススタジアム宮城)
・14年第3戦:〇ソフトバンク5−1阪神●(ヤフオク!ドーム)
・14年第4戦:〇ソフトバンク5×−2阪神●(ヤフオク!ドーム)
・14年第5戦:〇ソフトバンク1−0阪神●(ヤフオク!ドーム)
・15年第1戦:〇ソフトバンク4−2ヤクルト●(ヤフオク!ドーム)
・15年第2戦:〇ソフトバンク4−0ヤクルト●(ヤフオク!ドーム)
・16年第3戦:〇日本ハム4×−3広島●(札幌ドーム)
・16年第4戦:〇日本ハム3−1広島●(札幌ドーム)
・16年第5戦:〇日本ハム5×−1広島●(札幌ドーム)
・17年第1戦:〇ソフトバンク10−1DeNA●(ヤフオク!ドーム)
・17年第2戦:〇ソフトバンク4−3DeNA●(ヤフオク!ドーム)
・17年第5戦:〇ソフトバンク4×−3DeNA●(ヤフオク!ドーム)
・18年第3戦:〇ソフトバンク9−8広島●(ヤフオク!ドーム)
・18年第4戦:〇ソフトバンク4−1広島●(ヤフオク!ドーム)
・18年第5戦:〇ソフトバンク5×−4広島●(ヤフオク!ドーム)
・19年第1戦:〇ソフトバンク7−2巨人●(ヤフオク!ドーム)
・19年第2戦:〇ソフトバンク6−3巨人●(ヤフオク!ドーム)
・20年第3戦:〇ソフトバンク4−0巨人●(京セラドーム)
・20年第4戦:〇ソフトバンク4−1巨人●(京セラドーム)
・21年第1戦:〇オリックス4×−3ヤクルト●(京セラドーム)

 スコアを見れば分かるように、必ずしも無抵抗でやられていたわけではない。この日の試合を含めて1点差負けは7、サヨナラ負けが6と、“惜しい”ゲームはたくさんある。

 一方で、近年の日本シリーズで思い出される名場面の多くは、大谷翔平のサヨナラ打(16年第3戦)、西川遥輝のサヨナラ満塁弾(16年第5戦)、今宮健太の神走塁(17年第2戦)などなど、パ・リーグの選手たちが織り成したパフォーマンスだ。もし、このままオリックスがシリーズを制すとすれば、この日の9回の攻撃もまた、名場面として語り継がれるに違いない。

 果たしてヤクルトは、セ・リーグが味わい続ける悪夢の連敗記録を終わらせることができるのか。もし敗れ、仮に本拠地3連勝を飾っても、待っているのは再びパ・リーグ本拠地ゲーム。第2戦はヤクルトにとって“大一番”となるかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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