F1第20戦のカタール・グランプリでスクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は予選までの好パフォーマンスにより、決勝でも好結果が期待された。だが、車のペース不足に苦しんだ末に13位に終わった。

 予選8番手でのスタート直後、コンストラクターズ・ランキング5位争いのためにも後方に抑え込んでおきたかったアルピーヌのエステバン・オコンの先行を簡単に許した角田。捨てバイザーがリアウイングに引っかかるアクシデントもあり、予定より早いピットインを余儀なくされ、以降はポイント圏内を取り戻せないまま、チェッカーを受けることとなった。

 この「予想外」(角田談)な展開となったロサイル・インターナショナルサーキットでのレースについて、21歳の日本人ルーキーは「ソフトタイヤでの最初のスティントが遅すぎました。本当に車と戦わなければなりませんでした」と、オランダの専門メディア『RN365』に対して振り返っている。

 ミディアムタイヤに交換した第2スティントについては「スピードは戻りましたが、言うまでもなく最初のスティントであるスタートが最も重要であり、そのために多くのチャンスを失いました」と、繰り返し出だしの拙さを悔やんだ角田は、同メディアから「最も過酷なレースだったかどうか?」を訊かれ、「はい、そうだと思います。肉体的にも、精神的にも、とても大変でした。全てのラップでプッシュする必要がありましたが、うまくいきませんでした」と答えた。

 予選まで好パフォーマンスを発揮し、結果を残していただけに、この決勝の結果には精神的にも大きなダメージを受けているかと思われた。しかし、角田は「この3レースで、再びペースを見つけることができました。特にレースでは、スピードと自信が増しました。まだ(開幕戦の)バーレーンGPほどではありませんが、いずれ元通りになると思います」とポジティブに捉え、今後に向けて明るい展望を示した。
  ライバルに25ポイント差をつけられ、非常に厳しくなったコンストラクターズ・ランキング5位争いについても、「5位は僕たちにとって、まだ目標です。アルピーヌはカタールで多くのポイントを獲得したので、僕たちも残りのレースで同じことをする必要があります」と、最後まで戦い切ることを強調した。

 残りのレースは12月3日からのサウジアラビアGPと12月10日からのアブダビGPだが、最後の2連戦に臨む前に、過酷な“トリプルヘッダー”からリフレッシュも兼ねて(?)、11月24日に角田は今季彼の「指導役」を務めてくれているアレクサンダー・アルボンとともに、イタリアの「SOUTH GARDA KARTING」でカートを楽しんだことを、2人がそれぞれのSNSで伝えている。

 今季、多くの苦労を味わいながらも、終盤に入り、随所に目に見えて成長が感じられる角田が、束の間の休息を経て臨むジェッダでの市街地コースと、走行経験があるヤス・マリーナ・サーキットでのレースで、どのようにデビューイヤーを締め括るかを、期待を持って見守りたいところだ。

構成●THE DIGEST編集部