11月28日、東京競馬場の芝2400mを舞台に第41回ジャパンカップ(GⅠ)が行なわれる。今回は、今年の覇者シャフリヤール(牡3歳/栗東・藤原英昭厩舎)、昨年の三冠馬コントレイル(牡4歳/栗東・矢作芳人厩舎)、18年の勝ち馬ワグネリアン(牡6歳/栗東・友道康夫厩舎)、さらには16年の勝者マカヒキ(牡8歳/栗東・友道康夫厩舎)と、日本ダービー馬が4頭も参戦。また、外国馬もG1ホース3頭が出走と、豪華かつ多彩な顔ぶれが揃った。

 何といっても今年の見どころは、ここを最後に現役を引退するコントレイルと、1歳下のダービー馬シャフリヤールの直接対決だろう。

 コントレイルは昨年の菊花賞を辛勝、無敗の三冠馬となったが、そのあとはジャパンカップをアーモンドアイの2着として昨期のレースを終了。今春は大阪杯(GⅠ)を不得手な道悪(重)に見舞われて3着に敗れ、秋初戦の天皇賞・秋(GⅠ)も1歳下のエフフォーリア(牡3歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)に差されて2着にとどまった。

 それでも、いまだに3着が最低着順という安定感は崩れておらず、ラストランを勝利で締め括って種牡馬への花道とするべく、先ごろのブリーダーズカップで2勝を挙げた”世界の”矢作調教師が率いる厩舎スタッフも、腕によりをかけて仕上げてきた。実際、追い切りは坂路を馬なりで36秒9−12秒0という速い時計で抜群の動きを見せ、他馬の陣営をも唸らせたほどだ。ここに”無敗の三冠馬”を送り出す関係者の意地を強く感じる。

 対するシャフリヤールも引けを取らない。

 日本ダービーではエフフォーリアをハナ差で降して戴冠を果たしたわけだが、前述したように、そのエフフォーリアが天皇賞・秋でコントレイルを破って勝利を挙げたことが、相対的に彼の強さを浮き上がらせることになったのだ。その現象も手伝って、「強い3歳世代」の評が関係者のあいだでも定着しているほどで、古馬より2kg軽い斤量のアドバンテージもあり、乗り替わりで手綱をとる川田将雅騎手は毎日杯(GⅢ)でシャフリヤールを勝利に導いた経験があって、不安材料にはなるまい。

 秋の初戦は不良馬場の神戸新聞杯(GⅡ)で4着に敗れ、藤原調教師はタフなレースの反動を気にしていたという。しかし、追い切りでは春シーズンよりも力強い動きを披露して、そうした不安を振り払った。
  優勝争いはこの2頭に絞られると捉えているが、どちらを上位に取るかと訊かれれば、筆者は経験値の高さをもってコントレイルとしたい。

 3番手以下は横一線。骨折明けのアルゼンチン共和国杯(GⅡ)を圧勝したオーソリティ(牡4歳/美浦・木村哲也厩舎)。秋初戦となった京都大賞典(GⅡ)の2着をステップに調整を挙げているアリストテレス(牡4歳/栗東・音無秀孝厩舎)。東京コースを得意とする今年のオークス馬で、53kgの斤量も魅力のユーバーレーベン(牝3歳/美浦・手塚貴久厩舎)。加えて、瞬発力勝負になった際の追い込みで上位進出の可能性を秘めるシャドウディーヴァ(牝5歳/美浦・斉藤誠厩舎)までを馬券対象として考えたい。

 また外国馬3頭のなかからピックアップするならば、前走のブリーダーズカップターフ(米G1・芝12ハロン)で2分26秒0という速めの時計で僅差の2着に入り、軽い馬場への適性の高さをのぞかせたアイルランド調教馬のブルーム(牡5歳/エイダン・オブライエン厩舎)となろうか。

 ともあれ、最初で最後となるコントレイルとシャフリヤール、関西を代表する名門厩舎の手になる三冠馬とダービー馬の激突を楽しむのが要諦。筆者は、馬券は”観戦料”ぐらいにとどめて、勝負の行方を見守るつもりである。

文●三好達彦