今年11月初旬に中国前副首相から性的暴行を受けていたと告発後、消息不明となっていた女子テニスのペン・シューアイ。12月19日、行方をくらまして以来、初めてメディアの前に姿を現し取材に応じた。

 元プロバスケットボール選手のヤオ・ミン氏らと共に、上海で行なわれたクロスカントリースキーのイベントに参加したペン・シューアイは、シンガポールの中国語新聞『聯合早報』のインタビューで「私は誰かに性的暴行を受けたということを書いたことはありません」と否定。

 さらに「誰かに監視されているのか?」との質問に対しては、「なぜ他の人が私を監視することができるのでしょうか。ずっと自由ですよ」と世間の心配をよそに回答したのだ。

 この報道を受け、WTA(女子テニス協会)は、「公の場への登場だが、監視や強制なしにやり取りは出来ていないもので、懸念を解消するものではない」と声明を発表。同件はテニス界に留まらない。世界各地のジャーナリストや政治家らもこの不審な言動に違和感を抱いている。
  米国のリッチ・ローリー氏は、「IOCだけがこれを信じている、ないしは信じているフリをしている」と問題視。また同国の元フロリダ州知事であるリック・スコット氏は、「共産党がシューアイを黙らせ、真実を隠そうと脅迫しているのではと深く懸念する。世界は彼女と一緒になり、共産党に責任をとらせるために可能な限りのことをしなければならない」と訴えた。

 さらに英紙『The Telegraph』のニコラ・スミス記者は、「もし彼女が本当に自由であればWTAに電話をするでしょう」と指摘。同国の人権活動家のベネディクト・ロジャース氏は、「WTAが絶対に正しい。ペン・シューアイの動画は教科書のような、強制的な自白だ」と言っている。

 世界的な大騒動となっているこの一件。彼女の安否は確認できたが、一刻も早い収束を祈りたい。

構成●THE DIGEST編集部

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