2021年のF1世界選手権において、アルファタウリはコンストラクターズランキングで6位に終わり、目標としていた5位の座はアルピーヌに奪われた。車のポテンシャルは非常に高いものがあると評価されていたイタリア・ファエンツァのチームについて、英国のモータースポーツ専門メディア『THE RACE』は「チャンピオンシップで5位の座を逃したのは、彼らにとって本当の打撃だった」と記している。
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 同メディアは、その原因として、ピエール・ガスリーがドライバーズランキング9位となる110ポイントを獲得したのに対し、角田裕毅が32ポイントに止まった点を挙げている。

「ツノダは時折チームに貢献し、今季のフィナーレとなったアブダビ・グランプリで4位、ハンガリーGPで6位という好結果を出したものの、アルファタウリがダブルポイント(2人のドライバーが入賞)を22戦中3戦でしか達成できなかったという事実が、今季の結果を物語っている」

 アルファタウリのテクニカルディレクター、ジョディ・エギントンも、「この車であれば、5位フィニッシュも可能だったと思うが、アルピーヌがカタールで行なった良い仕事(フェルナンド・アロンソが3位表彰台、エステバン・オコンが5位で計25ポイントを獲得)のため、それはならなかった」とチャンピオンシップ争いを振り返るとともに、自チームのドライバーのこの“不均衡”について言及している。
 「ライバルチームは両ドライバーがコンスタントにポイントを獲得していったが、我々は1台の車でそれを行なうことを余儀なくされた。というのも、ドライバーのうちのひとりはルーキーであり、1台(ガスリー)に頼らざるを得なかった」

 シーズン中にはアルピーヌの両ドライバーが自チームの強みとして、2人で戦えることを挙げていたが、その点に欠けるアルファタウリは、不利を免れなかったようだ。とはいえエギントンTDは、決して角田を非難しているわけではない。

「ルーキーに、全てのレースで安定したパフォーマンスを期待することはできない。それは不満でもなく、負けた言い訳ではなく、ただの現実である。そして、もうひとりのドライバーがどれだけ一生懸命に頑張って素晴らしい仕事を果たしたとしても、単独で2人のドライバーたちと戦うのは非常に難しい」

 これに対して『THE RACE』も「(アブダビでの好結果により)ツノダのシーズンが力強い形で終わったのは、来季、彼がより安定したパフォーマーになるという有望な兆候と言えるが、2021年に関しては、チームの運命はガスリーに双肩にかかっていた」と強調している。 さらに「今季、最終的な結果は期待外れに終わったが、アルファタウリは力強いシーズンを過ごした」と分析した同メディアは、「彼らは、レッドブルの『ジュニアチーム』ではなく『姉妹チーム』としての地位を確立するうえで、目覚ましい進歩を遂げた。実用的で優れた技術部門を擁し、近年は弱点を取り除き、より一貫して力を上げているガスリーは頼もしいリードドライバーへと成長した」と、イタリア・チームの今季の収穫を紹介した。
  この中に角田が含まれていないのは、ルーキーとしては致し方がない。しかし、前述の通り、最終戦の好結果で将来に向けて期待を高めた日本人ドライバーが、来季は安定したパフォーマンスで結果を出し続けられれば、今季に手厚いサポートをしてくれたチームへの恩返しとなる。

 大幅に変更されたレギュレーションが施行される2022年に、アルファタウリは今季までの良い流れを継続できるか。そして、それが2年目の飛躍を狙う角田を後押しすることになるかも、非常に興味深いところだ。

構成●THE DIGEST編集部