2021年のスポーツ界における印象的なニュースを『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回は、メジャー自己最多の117球を投げ切った大谷翔平を取り上げる。疲労感を滲ませたスーパースターに対し、現地記者、指揮官はどのような反応を示したのか――。

記事初掲載:2021年9月5日

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 文字通りの力投だった。

 現地時間9月3日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は、本拠地で行なわれたテキサス・レンジャーズ戦に「2番・投手」で先発出場。4打数無安打に終わった一方で、7回7安打2失点8奪三振と見事なピッチングを披露し、今季9勝目をマークした。

 自慢の速球が冴えた。決め球として投じる場面が多かった4シームは、平均96.9マイル(155.9キロ)、最速100.5マイル(161.7キロ)を計測。とりわけ4回1死二三塁、7回一二塁のピンチの場面では、100マイル(約160.9キロ)を超えるボールを連発するなど、レンジャーズ打線を力でねじ伏せた。

 もはや貫禄すら感じさせるピッチング。だが、不安要素がまったくないわけではない。メジャー移籍後自己最多となる117球を投げ、かなり疲れ切った表情を浮かべたのも事実だ。そんな大谷のコンディション面の問題を指摘する声もある。レンジャーズの地元紙『Dallas Morning News』のイバン・グラント記者は、自身のツイッターで次のように発信した。

「手に打球が直撃して問題を抱えていたであろうショウヘイ・オオタニが、9月の無意味な試合でこんなにも投げさせた理由が分からない。疑問を投げかけるべき事象ではないだろうか」

【動画】渾身の100マイルピッチング! 大谷翔平がギアを上げた奪三振シーンをチェック 同記者の指摘はもっともではある。ともにアメリカン・リーグ西地区でプレーオフ進出が望み薄な両チームの現状を考えれば、緊迫した攻防が続いた状況とはいえ、決して無理を強いるような試合ではない。

 だが、指揮官の考えは明白だった。試合後の会見でエンジェルスのジョー・マッドン監督は、大谷に多投させた理由を次のように説いている。

「前回登板は84球だったから、今回はかなり長く投げさせられると思っていた。実際に彼はストライクの山(117球中85球)を築いてくれたよ。正直に言えば、7回105球ほどが理想だが、途中で13球も投げた打席があったせいで球数がかさんだ。それでも球質自体は、最後まで本当に良かったと思う」

 シーズンも残り1か月を切った。蓄積疲労も顕著ななかで、大谷は怪我なく最後まで戦い抜けるのか。今後は指揮官の起用法にも注目が集まりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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