●1位
大谷翔平が二刀流で大活躍
日本人2人目のMVPを受賞
 今季の大谷翔平の活躍は、競技の枠を飛び越え、日本人アスリートが成し遂げた史上最高のパフォーマンスだったと言えるのではないか。DHを解除しての“リアル二刀流”に始まり、オールスターではホームラン・ダービー出場に加えて本戦の先発マウンドも経験。ベーブ・ルース以来誰も成し得なかった、いや誰も挑戦しようとすら思わなかった二刀流を完全な形で成功させた。

 最終的には46本塁打&9勝。2ケタ本塁打&2ケタ勝利は惜しくも逃したが、文句なしでMVPを受賞した。本誌2020年1月号の座談会で、「マンガのような活躍を期待したい」という声が出た。同じ思いを多くのファンが抱いていたはずだが、実際に「マンガ以上」の活躍を見せてくれたのだから、脱帽するしかない。

【PHOTO】“歴史的なシーズン”をホームランで締め括る!二刀流で大躍進を遂げた大谷翔平の2021年を厳選!

●2位
「不正投球問題」に球界が激震
MLB気候も取り締まりを強化
 6月、『スポーツ・イラストレイテッド』誌電子版に掲載された記事に球界が揺れた。それは、強力な粘着物質を使った「不正投球」が蔓延していることを告発するもので、ゲリット・コール(ヤンキース)やトレバー・バウアー(ドジャース)ら有力投手にも「容疑」がかかるなど、事態は各所に波及した。

  ボールに異物をつけて投げることは以前から事実上黙認されてきたが、近年はより粘着性の強い物質を使ってスピンレートを上げる投手が続出していた。それに伴う三振率の上昇が異常なペースとなっていたこともあり、MLB機構も本格的な規制強化に乗り出した。その後、MLB全体で三振率は低下し、本塁打は増加。ただ、本当の効果を見定めるにはまだ時間がかかるかもしれない。

●3位
ブレーブスが26年ぶりの
ワールドチャンピオンに
 4月、アトランタ市民は大きなショックを受けた。ジョージア州でマイノリティの投票権を妨げる恐れのある法律が成立したことを受け、MLBがオールスターの開催地をアトランタから急きょ変更したのだ。

 しかし、それから7ヵ月後、街は歓喜に湧いた。地元ブレーブスがアストロズを撃破し、実に26年ぶりとなる世界一を達成。前半戦は停滞していたが、7月にホーヘイ・ソレーア、エディ・ロザリオら4人の外野手をトレードで途中補強したことをきっかけに上昇気流に乗り、ポストシーズンでも強敵を次々に破って頂点に立った。40年以上にわたるマイナー指導歴を持つブライアン・スニッカー監督の長年の苦労が報われた点も、大きな感動を呼んだ。
 ●4位
タティース&ゲレーロ
2人の“ジュニア”が躍動
 大谷翔平ががいなかったら、間違いなくこの2人が今季の主役となっていたに違いない。フェルナンド・タティースJr.(パドレス)とブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)。選手としてのタイプは好対照ながら、ともに有名メジャーリーガーの息子であるという共通点を持つこの2人は、開幕から話題を集め続けた。

 タティースJr.は攻守にダイナミックなプレーで、ゲレーロJr.は天才的な打撃センスで、それぞれファンを魅了。ともにオールスターにも出場し、ゲレーロJr.はMVPも受賞した。残念ながらどちらもポストシーズン出場は逃したが、大谷とともに来年以降も「MLBの顔」として球界を牽引する存在として期待される。

●5
史上最も激しく動いたデッドライン
シャーザーらが新天地へ
 毎年、大きな盛り上がりを見せるトレード・デッドライン。だが、今年は例年以上に動きが激しかった。7月に成立したトレードの件数も、移籍した人数も史上最多。

 ただ数が多かっただけではない。サイ・ヤング賞3度を誇るマックス・シャーザーは韋駄天トレイ・ターナーとともにドジャースへ移籍し、16年のカブス世界一に貢献したクリス・ブライアント、アンソニー・リゾー、ハビア・バイエズも揃って新天地へ。他にも、数多くの大物選手がチームを変わった。質量両面で史上最も派手なトレード・デッドラインだったと言っても、決して過言ではないだろう。●その他
 4月9日にジョー・マスグローブ(パドレス)が球団史上初のノーヒッターを記録したのを皮切りに、開幕から1ヵ月半余りで実に6度の大記録が生まれた。最終的に単独では7度、継投も含めると9度のノーノーが達成され、史上最多記録を更新した。

 8月12日、野球映画史上屈指の名作『フィールド・オブ・ドリームス』のロケ地となったアイオワ州ダイアーズビルで、ホワイトソックス対ヤンキースの公式戦が行われた。セレモニーでは、映画に主演したケビン・コスナーも登場。トウモロコシ畑に囲まれた美しいフィールドで、レトロ調のユニフォームを身にまとった選手たちが駆け巡る姿にファンは酔いしれた。

 ジャイアンツの快進撃も印象的だった。ドジャースとパドレスの一騎打ちが予想されていたナ・リーグ西地区にあったほぼ無印だったが、終わってみれば今季MLB最多&球団新の107勝。バスター・ポージーらベテランの復活に加え、プラトーンを活用するベンチワークの巧みさも光った。

構成●SLUGGER編集部
※SLUGGER2022年1月号の記事を再構成したものです