「厳格なコロナ対策がなされている中国に入国したのは、このスパーリングマッチを行なうためではなく、『なんとしても、もう一度世界のベルトを巻く』、そのための渡航でした」

 物議を醸した中国人格闘家でインフルエンサーの玄武との一戦について、元WBO(世界ボクシング機関)世界フライ級王者の木村翔は、花形ジムの公式ホームページでそう説明した。

 そもそも、「12月から春先を目処にマッチメークしていただく予定であり、それまでの間、中国でボクシングトレーニングのみに専念環境下に自らを置く目的」だったという木村。しかし、問題となった試合は予期せぬ展開を見た。ボクシングルールで契約したはずの両者だったが、玄武が試合開始と同時にいきなり突き飛ばしたのである。

 思わぬ攻撃に動揺する日本人ボクサーに卑劣な攻撃を続けた玄武は、2回には相手を抱え上げ、そのまま頭からリングに叩き落とす危険な行為にも転じた。この一連のスポーツマンシップを逸脱した振る舞いに加え、木村のノックアウト負けを宣告したレフェリーは、国内からも大きなバッシングを受けた。

 試合直後の玄武は、自身のSNSで「中国が日本と闘うためにはやっぱりルールがいるのか? 俺はあいつが完全にやられるまで眠れない」と豪語。さらに批判的なコメントに対しても「裏切り者」と強気に振舞った。しかし、あまりにバッシングを受けたせいか、彼らは自らに非がないと言わんばかりに契約の内容を告白し始めている。
  玄武のコメントをまとめた中国メディア『新浪体育』は、驚きのレポートを記している。

「『キムラと交渉をし、こちらがレスリングルールで行なうことに同意していた』と玄武は語る。彼らはボクシングルールでいけば、元世界チャンピオンに絶対に勝てないと考え、足を使わないレスリングルールの使用を認めることで合意していた」

 試合映像を見る限りでは玄武が足を使っているシーンも確認できる。ただ、体格差がある相手に対し、一方的な投げ技が認められるという状況が、危険なことに変わりはない。

 木村は前述の声明において「今回の玄武選手の反則行為は許しがたい事です」としており、両者の言い分は食い違っている感が否めない。真実は当事者のみが知るところだが、少なくとも玄武の行なった危険な行為が、“違反“だったことだけは間違いないだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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