2021年は、日本の卓球界にとって歴史的な出来事が起こり、日本のスポーツ界にも大きなインパクトを残すシーズンになった。東京五輪、世界選手権という二つの大きな大会を乗り切ったわけだが、そこにはに日本の男女、それぞれの戦いがあった。そこで、卓球界の5大ニュースを個人的に挙げてみた。

【PHOTO】日本卓球史上初の金メダル!混合ダブルス初代王者に輝いた水谷隼・伊藤美誠の激選ショット!

◆東京五輪での4回戦敗退「マジか、張本智和」
 
 大会前から自らの状態をやや不安視していたが、本番でもその様子が見て取れ、まったくいいところがなく4回戦で姿を消した。世間的には、準決勝に行き、メダルに絡む戦いを期待していたが張本は「これが今の実力」と唇をかんだ。若き日本のエースにとっては、初めての苦い五輪になった。

◆世界ユース選手権「ニッポンユース世代、爆発的強さ」

 一昨年まで世界ジュニアユース選手権として開催されていたが、今回からU19とU15に分けて世界ユース選手権として新たに開催された。将来、日本の卓球界を背負う若き精鋭たちが参戦し、日本はU15で7種目中6種目を制した。凄みを見せたのは、張本智和の妹である張本美和で女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルス、女子団体の4冠を達成。男子も松島輝空が3冠を達成し、新しい時代を担う選手の活躍は、世界に「日本強し」の印象を改めて与えた。
 ◆世界選手権で早田ひなが女子ダブルス&混合ダブルス銀メダル「ひな、開眼」

 前回大会、混合ダブルスで優勝した張本智和と早田ひなのペアが2年ぶりに復活。東京五輪からつづく不調からなかなか脱しきれない張本が苦しんだが、早田のサポートで徐々に調子を取り戻して決勝に進出。中国の王楚欽と孫穎莎のペアにストレートで敗れたが銀メダルを獲得した。早田はさらに女子ダブルスに伊藤美誠とのペアで出場し、準決勝で中国ペアを破り、決勝では前回大会で敗れた王曼昱と孫頴莎と対戦。ストレートで敗れたが、早田の左利きから繰り出される強打は伊藤と並び中国に警戒心を与えた。ひなの時代がやってきそうな気配だ。
 ◆東京五輪で3個のメダル獲得!伊東美誠「全種目メダルの快挙」

 東京五輪で伊藤は金、銀、銅のメダルを獲得。伊藤の一番大きな目標は、女子シングルスで中国勢を倒して優勝することだった。混合ダブルスで金を獲り、気合を入れて臨んだが、準決勝で宿敵・孫穎莎に0−4で敗れ、金メダルは叶わず。試合後、悔し涙に濡れ、大舞台で目標を果たせなかった悔しさを噛みしめた。それでもブロンズメダルマッチでユ・モンユに勝って銅メダルを獲得、女子シングルスとしては初めてのメダルとなった。伊藤が強くなれば、その上を行くべく徹底的に分析する中国。伊藤は、「また中国との差が開いた感じがします」と先を行く中国の強さを認めていたが、ここで終わるわけにはいかない。打倒中国を実現すべく、伊藤の新たな取り組みがもう始まっている。
 ◆東京五輪で混合ダブルス金メダル!「みまじゅん、世界を制す」

 東京五輪で水谷隼人、伊藤美誠のペアが中国ペアを相手に勝ち取った金メダルは、日本卓球界の歴史的快挙であるのと同時に、東京五輪を戦う日本選手団に勢いをつけた。準決勝のドイツ戦では3−3のセットポイントで最終セット2−9と7点差をつけられて土壇場に追い込まれた。だが、水谷の「1本ずつ返す」の声掛けに伊藤が反応し、お互いを信じて逆転勝利。決勝の中国戦では一歩も引かずに戦い、その姿勢は多くの人の心を揺さぶり、コロナ禍で沈んでいた日本中を歓喜の渦に巻き込んだ。どんなに強い相手でも最後まで決して諦めないこと、そして卓球の面白さを最大限に示し、結果を出した。エンターテインメントとしても完璧で最高の試合だった。

文●佐藤俊(スポーツライター)

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