今季、レアル・マドリーからマジョルカにレンタルで加入した久保建英。2年ぶりに復帰した古巣での前半戦は、浮き沈みに富むものとなった。

 東京オリンピックで好パフォーマンスを発揮した後のシーズン、新天地で早くも攻撃の中心として君臨してきたが、ラ・リーガ第6節マドリー戦の前半で右膝を傷めて交代すると、長い治療とリハビリを余儀なくされ、15節ヘタフェ戦でようやく復帰。翌節のアトレティコ・マドリーで劇的な決勝ゴールを単独ドリブルから決めて勝利に貢献した20歳は、続くコパ・デル・レイのジャネーラ戦、リーガ18節グラナダ戦と先発出場を飾り、完全復活をアピールして多忙を極めた2021年を締めた。

 長く戦線を離脱した間もチームからサポートを受けたことで、今後の“お返し”を誓っている久保だが、目標のひとつにはマドリーへの復帰があることは間違いない。2019年の加入以来、マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェ、再びマジョルカと武者修行が続いている彼が、今夏以降に「エル・ブランコ」のユニホームを身に纏うことができる可能性はいか程なのだろうか。
  これについてマドリー専門メディア『Defensa Central』が言及し、「マドリーでは右ウイングでの起用が有力視されているが、現在の主力やコンバートされた選手もおり、このポジションでの定着は難しい。しかしカルロ・アンチェロッティ監督は、この日本人選手に対して扉を閉ざす気はない。残りのシーズンは十分にあり、自身をアピールできる時間がある」との見解を示した。

 一方、『The Real Champs』は久保の可能性について、「ボールを持てばトリッキーであり、ファイナルサードではクリエイティブなパスを出せるクボは、いつか世界的なプレーメーカーになれるだろう。しかし、彼の可能性を全て活かすのは簡単ではない。それには、より積極性や一貫性が求められるが、彼は他の多くの若手選手と同じように、まだメンタルとフィジカルの面で欠けている部分がある。誰もが、ヴィニシウス・ジュニオールやロドリゴのような決定的な選手になれるわけではない」と評している。
  また、「彼には“ワンクリック”でこの大変だった1年から状況を変えるだけの力があることを、我々は知っている。彼が覚醒するにはあと1、2年が必要だという見方が多いとはいえ、2022年に今年のようなことを繰り返すことをしてはならない」とも綴り、現状が芳しいものではないことも示した。

 マドリー側を納得させるためにも、今後、残りのシーズンにマジョルカでコンスタントに結果を残す必要があるが、それにはチーム状況も影響を与える。現在、冬の移籍市場を目前に控え、このバレアレス諸島のクラブには様々な移籍や補強に関する噂が流れ始めているが、その中で最も大きいのは、今夏にバレンシアから加入し、今後が久保とのコンビプレーも期待されているイ・ガンインに、フランスのリールが関心を示しているというニュースだろう。
  スポーツ紙『AS』などが報道によれば、フランス代表Wジョナタン・イコネの今冬のフィオレンティーナ移籍が濃厚となり、その代役の候補として20歳の韓国代表選手に照準が合わせられたということだ。マジョルカでは快適に過ごしているため、「話は簡単には進まないだろう」と予想されているが、チャンピオンズ・リーグ決勝トーナメント出場はイ・ガンインにとっても魅力的なものであるとして、今後の動向が注目される。

 また、専門メディア『GOL DIGITAL』は、エスパニョールがベティスのメキシコ代表MFディエゴ・ライネスのレンタルでの獲得を狙っているという記事の中で、エスパニョールのライバルとしてアラベス、そしてマジョルカを挙げており、その理由を「クボがルイス・ガルシア・プラサ監督の期待に応えていないと判断した」と綴っている。

 もし、これらの噂が現実となれば、久保を取り巻く状況も大きく変わる可能性があるが、果たして!? 様々な憶測が流れる中で、彼は落ち着いた環境、チーム状況の中で良い1年のスタートを切れるのか、年明けはピッチ上だけでなく、移籍市場にも注目する必要がある。

構成●THE DIGEST編集部