昨季、F1には3人のルーキーが誕生。角田裕毅はアルファタウリで、ミック・シューマッハーとニキータ・マゼピンはハースで、それぞれ最高峰レースでの1年間を過ごした。

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 アルファタウリの車が素晴らしいポテンシャルを秘めていたことで、角田は開幕戦バーレーン・グランプリでのいきなりの9位入賞を含めて年間で32ポイントを獲得したのに対し、ハースは2021年での開発を諦めて翌年への準備に注力したことで性能的に他車に大きく劣り、ドイツとロシアのルーキー2人は常に最後尾を走ることを余儀なくされ、ポイントにも手が届くことはなかった。

 とはいえ、各国メディアは全てが角田をナンバーワンルーキーに挙げているわけではなく、一貫性を示し、チームメイトには大きく勝ち越し、ウィリアムズなど他チームを上回るレースを披露することもあったミックを最も称賛するところも少なくない。果たして、この3人がイコールコンディションで走った場合に、どのような結果を残すかは、非常に興味深いところだ。
  来る新シーズン、大きくレギュレーションが変わることで、勢力分布の変化も予想される中、アルファタウリが昨季のような好パフォーマンスを発揮するのか、そしてハースが以前のように中段争いに復帰できるかも気になるところだが、角田はF1での2年目については、先日のオンライン会見で以下のように語っている。

「(レギュレーションの変更で)大きく車が変わるので、明確な目標は設定しにくいですが、(昨季最終戦の)アブダビGPのフィーリングで開幕戦を終えられればと思います。レース勘のような部分も含め、ベストな状態で開幕を迎えられるように、オフの間も頑張っていきたいです。(新シーズンは)もうルーキーイヤーではないので、言い訳は通じません。結果を求め、毎戦、死に物狂いで戦い、車のポテンシャルを最大限に引き出していきたいです」

 一方、2020年のF2では角田、マゼピンを抑えて王者に輝いたミックは、苦しく、そして屈辱とも言える1年を過ごしたが、「皇帝2世」は前向きな気持ちを失うことなく、現在も自身のルーキーイヤーをポジティブに捉えている(英国のF1専門メディア『MOTORSPORT WEEK』より)。

「目標のひとつはポイント獲得で、これは達成できなかった。しかし、非常に成功したシーズンであり、我々が持っていたものを全て引き出すことができたと思う。個人的には、最も学ぶことができたのは、タイヤについてだろう」
  F3、F2ともに、参戦2年目でタイトルを獲得していることから、F1でも2年目の飛躍が期待されるミックは、2022年の課題として「今、僕たちはチームとしてのやり方を見つけ出しているので、それが新シーズンの僕らを助けるだろう。もし今、開幕戦を迎えたとしたら、とても力強いスタートが切れると思う。シーズンが進むにつれて他チームとの差は小さくなり、彼らの前にも出られるだろう」とポジティブな展望を示している。

「新シーズンに対しても、自分自身に対しても期待している。うまくいけば、良い一歩が踏み出せるだろうし、そうなると確信している。自分に何が求められるか知っているし、自分が何をしなければならないかも明確に理解している。今は、(新レギュレーションの下での)新しいコンセプトの車に適応できるよう備える必要がある」

 一方、昨季は開幕前からプライベートでの不適切な行為で批判を浴び、コース上では単独スピンや他車への妨害などでF1ドライバーとしての適性にも疑問符がつけられながら、徐々にではあるが、改善もしていったマゼピンは、デビューイヤーでの自身について「5段階評価での4」と高い数値を与えている。
 「5はエクセレント(優秀)を意味するが、エクセレントがどういう状態なのかが分からない。今がそうだと思っても、明日はもっと良くなるかもしれない。だから今の自分に与えられる最高の評価が4なんだ」と語る彼からは、今後に向けての自信も窺える。

「バーレーン(2コーナーでリタイア)や他の多くのレースで自分のパフォーマンスは良くないと感じたし、ハードに突っ込み過ぎてラップを落としたこともある。しかし、良かったレースもあり、シルバーストーン、サンパウロ、メキシコでは良かったと思っている」と、自身の進歩を強調する強気な22歳は、「中段争いに向けて準備もできている」と新シーズンに向けて気合も十分である。

 今季はアルファロメオからデビューする周冠宇がルーキーとして注目を浴びることになるだろうが、昨季は実現しなかった2年目の同期たちの熾烈な対決にも期待したいところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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