昨夏の移籍市場最終日にボローニャからアーセナルに移籍した冨安健洋は、ほとんど練習なしに右SBとしてスタメンデビューを飾っていきなり高評価を得ると、そこから15試合連続で先発出場を果たし、安定したパフォーマンスを維持して、早くもチームにとって不可欠な存在となった。

 12月19日のプレミアリーグ第18節リーズ戦で右足ふくらはぎを痛め、さらにその後にはコロナ陽性反応による自主隔離を余儀なくされたが、強行出場した21節の首位マンチェスター・シティ戦でもラヒーム・スターリングを完全に抑え込んで、改めてその能力の高さをアピールすることとなった。

 このように文句なしの前半戦を過ごした23歳には、各方面から賛辞が寄せられており、冨安とともに今夏「ガナーズ」に加入したCBのベン・ホワイトは、スポーツ専門チャンネル『DAZN』のインタビューで、日本人SBについて「これまで一緒にプレーした中で最高の右SB。素晴らしい選手だ。彼は常に集中していて、シンプルなことをワールドクラスのレベルでできる。非常に注意深く、集中力を欠かすことがない。彼の隣でプレーできることは光栄だ」と絶賛している。

 また、現役時代はアーセナルやエバートンでストライカーとしてプレーしたケビン・キャンベルは、「トミヤスのタフさと執拗なところは、リー・ディクソンのプレーを思い起こさせる。ローレン・エタメにも少し似ている。彼もタフだった」と、右SBのレジェンドOBを引き合いに出した上で、「トミヤスは空中戦も支配しており、アーセナルの長年の問題を解決した。多くのファンにとって、彼はお気に入りの選手だろう」と評した。
  メディアも試合のたびに、日本代表DFを高く評価しているが、英国公共放送『BBC』は各試合でつけた採点の平均値で、前半戦のベストイレブンを発表。残念ながら、右SBはブライントンのタリク・ランプティーが選出されたが、彼の平均採点6.98に対し、冨安は6.73と僅差。またアーセナルでは、GKアーロン・ラムズデイル(7.20)、エミール・スミス・ロウ(6.78)に次いで3番目の高さだった。

 ちなみにベストイレブンは、GKラムズデイル、DFランプティー、シェイン・ダフィ(7.07/ブライトン)、フィルジル・ファン・ダイク(6.96/リバプール)、アンディー・ロバートソン(6.91/リバプール)、MFコナー・ギャラガー(7.14/クリスタル・パレス)、デクラン・ライス(7.22/ウェストハム)、エヌゴロ・カンテ(7.04/チェルシー)、FWモハメド・サラー(7.31/リバプール)、ミカイル・アントニオ(7.19/ウェストハム)、カイ・ハベルツ(7.23/チェルシー)。

 アーセナルは現在、戦線離脱中の選手が多く、冨安も再びふくらはぎに張りを訴えている。再発することが多いといわれる厄介な部位を傷めたことで慎重な対応が求められるものの、窮地とも言える状況にあるチームにおいて、強敵との戦いを余儀なくされる中では、冨安に大きな期待がかけられることは間違いないだろう。

構成●THE DIGEST編集部