昨季のF1世界選手権、アルファタウリは目標に掲げていたコンストラクターズ・ランキング5位にはあと一歩届かなかったが(6位)、獲得ポイント数はトロロッソ時代を含めてチーム史上最多の142点と、大きな進歩を果たした。

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 その内訳は、ピエール・ガスリーが110点、角田裕毅が32点。前者は最も飛躍を遂げたドライバーのひとりとして多方面から絶賛を受け、後者はシーズン前や開幕戦バーレーン・グランプリでの9位入賞でスーパールーキーとして注目されるも、その後は浮き沈みを繰り返し、終盤戦になってパフォーマンスが良化して、最終戦アブダビGPで自己ベストの4位入賞で来季に期待を繋いだ。

 目標だった5位に手が届かなったのは、不用意なミスによって多くのレースを失った角田に原因があると見る者が当然多いが、F1専門メディア『planetf1』によれば、チームのフランツ・トスト代表は、このフランスと日本のドライバーの組み合わせについては全く問題がないと強調している。
 「経験のあるドライバーとのコンビであれば、スキルの高い若いドライバーがチームにいたとしても、アルファタウリはある程度のポジションを保ちながら、同時にその若いドライバーを教育していくことができる」と語るチーム代表。昨季は実際、チャンピオンシップで熾烈な争いを展開しながら、角田に対してはイギリスからイタリアへ移住させての徹底指導やアレクサンダー・アルボンを指南役として起用するなどの“育成”を同時に行ない、終盤戦になってこれが実を結んだ形となっている。

 そして65歳のオーストリア人によれば、経験の浅いドライバーを2人並べた場合は「チャンピオンシップ争いは非常にチャレンジングなものとなる。『2人の子ども』だけでトップ、あるいは中段争いに加われる可能性はほとんどない」と指摘。その理由として、「ピエールのように経験を積んだドライバーの場合、ライバルたちと100分の1秒単位の争いが可能だが、経験がない者はこれが10分の1単位となってしまう」と説明した。実際、ガスリーと角田の予選タイム差にも同様の開きがあったものである。
  高いポテンシャルを秘めた車を与えられ、ガスリーという予選でトップ5にも何度も入れる力を持った経験あるドライバーと走れるという環境は、時にルーキーに時に強いプレッシャーをかけることにもなったが、これによって角田は成長を遂げ、またチームの総合力を高めることになるとトスト代表は主張する。これは、ミック・シューマッハーとニキータ・マゼピンを擁するハースには期待できないものであるようだ。

 このように、ドライバーに関しては自信を窺わせるチーム代表だが、現時点で懸念する点として、新シーズンの予算上限の変更を挙げる(スポーツ専門メディア『Sportitnow.com』より)。2021年に1億4500万ドル(約168億円)と定められていた予算上限が新シーズンでは500万ドル(約5億8000万円)削減されることになるが、この微減が多くのレギュレーションに対処しなければならないチーム首脳にとっては「悪夢」になるのだという。
  これは年間21戦を前提にした規定ということで、23戦になれば1戦120万ドル(約1億4000万円)、またスプリント予選導入のレースでは1戦10万ドル(約1200万円)が追加されることになるが、トスト代表は「昨季は制限額を大幅に下回ったが、今回はレッドブル・テクノロジーから多くのパーツやデバイスを購入することになり、すぐに上限に達してしまう。この状況は我々を苦しくする可能性があり、最初からうまく計算する必要がある」と語っている。

 パフォーマンスの優れた車を開発することはチームの死活問題となり、この点は非常に気にかかる点だ。そしてこの予算には、トラブルによる車の修理代も含まれるため、角田も昨季のようなミスによるスピンやクラッシュの連続は絶対に避ける必要があり、この点からも2年目の成長を示さなければならない。ドライバー、チームともに多くの課題をクリアして、アルファタウリが新シーズンで快進撃を披露できるか、非常に興味深いところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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