現地時間1月19日(日本時間20日、日付は以下同)に行なわれたオーランド・マジックとフィラデルフィア・セブンティシクサーズによる一戦は、マジックのセンター、モー・バンバが第2クォーターの20得点を含むキャリアハイの32得点をあげる活躍を披露した。

 今季リーグワーストの8勝38敗(勝率17.4%)に沈むマジックにとって、キャリア4年目のバンバが成長の兆しを見せたことは数少ない好材料のひとつと言っていい。

 だが、それでも彼らがシクサーズ相手に勝利を手にするには十分ではなかった。このチームにはジョエル・エンビードというリーグ最高級のビッグマンがいるからだ。

「彼は信じられなかった。(試合の)最初からね」と振り返ったドック・リバースHCの言葉通り、エンビードはポストプレーにドライビングダンク、ワンレッグフェイダウェイジャンパー、さらにはステップバックの3ポイントなど多彩な技を繰り出し、自己最多に並ぶ50得点を叩き出してチームを123−110の勝利へと導いたのだ。

「全ては正しい方法でプレーすることなんだ。チームの皆が俺のことを信頼してくれている。彼らはいつだって俺のことを探してくれているんだ」

 そう語ったカメルーン出身の27歳は第1クォーターだけで20得点、第3クォーターには23得点をもぎ取り、試合を通じてわずか27分3秒の出場時間ながらフィールドゴール成功率73.9%(17/23)、フリースロー成功率88.2%(15/17)と超効率的な働きを披露。12リバウンドに3ブロックも記録する文句なしのパフォーマンスを見せた。
  この日のエンビードは、2018年10月29日にクレイ・トンプソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)がマークした26分33秒に次ぐ史上2番目の速さで50得点をクリア。50得点&10リバウンド以上をあげたのは、24秒のショットクロックが導入された1954−55シーズン以降、史上最短記録となった。

 シクサーズはこの勝利で今季戦績を26勝18敗(勝率59.1%)とし、イースタン・カンファレンス5位へ浮上。チームを牽引するエンビードは自信満々にこう語る。

「俺はいつだろうと、自分が望めば誰にだってなれる。シャック(シャキール・オニール)にだって、ダーク(ノビツキー)、コビー(ブライアント)、MJ(マイケル・ジョーダン)にだってなれる。本当さ。ドリブルからプルアップジャンパーもできるし、ボールハンドリングだってできる。そう、俺はオフェンス面で全てを兼ね備えた男なのさ」

 シャックのようにペイントエリアを制圧し、ノビツキーの十八番であるワンレッグフェイダウェイジャンパーを決め、ジョーダンやコビーのようなターンアラウンドジャンパーを難なくこなすスキルを持つ。エンビードは彼らの技を吸収したハイブリッドなスコアリングビッグマンといっても過言ではない。

 指揮官やチームメイトたちからも絶大な信頼を集めるシクサーズの大黒柱は、この日の超絶パフォーマンスで、今季も自身が有力なMVP候補であることを証明した。

文●秋山裕之(フリーライター)