1月24日から30日まで開催される、2022年全日本卓球選手権大会。卓球日本一を決める大会だが、昨年の東京五輪が終わり、パリ五輪に向けて新たなスタートとして位置づけられる大会でもある。

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 今年の大きな見どころのひとつは、石川佳純が女子シングルスの連覇を達成できるか。そして、誰がそれを阻止するのか、だろう。

 石川は好調を維持している。昨年11月の世界選手権では、シングルス準々決勝で陳夢(中国)にストレート負けを喫し、平野美宇と組んだダブルスも準々決勝で孫穎莎/王曼昱(中国)に3−2と惜敗。「美宇ちゃんが素晴らしい試合をしていたので、もう少し粘っていい試合をしたかった」と試合後にこぼしたが、収穫は大きかった。

 シングルスは、陳夢のロングサービスに苦しめられたが、ダブルスではバックハンドの威力が増した。そこから仕掛けていくフォアハンドのカウンターが鋭く、中国ペアを苦しめた。試合後、「気持ち的にも技術的にも充実して、楽しめました」と語るように、調子が上向いてきた感覚を掴んでいた。

 今大会、石川は昨年の覇者なので、第1ブロックに入っている。
  順調に勝ち進めばベスト16で加藤美優と戦い、その試合を乗り越えていくと準決勝で早田ひなと対戦することになる。連覇にはまず、この試合が試練の山になりそうだ。

 石川は2年前、この決勝の舞台で早田に敗れている。同じ左同士だが、長いリーチから繰り出される強烈なドライブに石川は手を焼いた。

 また、早田は東京五輪後、「次のパリ五輪は自分が出場する」という決意を固めた。世界選手権の女子シングルスでベスト16、混合ダブルスと女子ダブルスは準優勝と結果が出始めており、いま一番乗っている選手でもある。

 昨年大会では5年ぶり5度目の優勝を飾り、自信を取り戻した石川。

 若い世代に勝てないのではないかと思った中でのこの結果は、彼女の支えになった。連覇への挑戦権は石川にしかなく、そのなかで今回、優勝をすれば、その価値は伊藤美誠や早田、平野らのレベルが昨年以上に高くになっている分、より輝かしく、自分への自信もさらに深まるだろう。
  石川の連覇に待ったをかける一番手は、やはり伊藤だ。

 東京五輪では水谷隼との混合ダブルスで金メダルを手にし、女子シングルスでは銅メダルを獲得するなど、大活躍だった。少しの休暇を取った後は、中国対策として基礎練習に加えて多彩なサーブを磨き、フットワークとスピードの向上につとめてきた。

 昨年11月の世界選手権は、「中国人選手を倒して金メダル」と断言するほど自信を持って挑んだ。しかし、シングルス準々決勝で世界10位の王芸迪(中国)に4−1で敗退し、悲願の金メダルには届かなかった。また、早田と組んだ女子ダブルスは決勝に進出したものの、孫穎莎/王曼昱(中国)に敗れ、伊藤にとっては悔しいだけの大会となった。

 負けはしたが、サービスエース、レシーブエースをしっかりと取れるようになり、さらにラリーの強さも増している。1歩1歩だが、着実に中国のトップクラスに近づいている感がある。
  伊藤はすでに4月の世界卓球へ出場内定を決めており、その前の日本選手権で弾みをつけるのが理想的だ。また、第4ブロックに入っている今大会は難敵が見当たらず、順当にいけば準決勝で第3ブロックの平野と対戦することになるだろう。

 平野とは、2019年にジャパントップ12を始め、シングルスで4度対戦しているが、すべて伊藤が勝利している。敗れたのは、16年シーマスター女子W杯に溯ることになるが、伊藤も優勝を目指すのに、この準決勝が一つの山になるだろう。

 仮に伊藤と石川が決勝に進出した場合、昨年と同じファイナルになる。

 激戦となった昨年は一時、伊藤がゲームカウント3−1で石川を追い詰めた。しかし、その後3ゲームを連取されて逆転負け。そのときに流した悔し涙はまだ忘れておらず、リベンジへ向けて、世界選手権後も休まずに心技体を磨いてきた。油断せずに、いつもの自分の動きと技術を出していけば、必然的に優勝は見えてくるだろう。

 石川が連覇を達成するのか、伊藤、早田、平野がくるのか、それとも他の誰かが賜杯を制するのか。いずれにもしても、今大会の勝者がパリ五輪への第1歩を踏み出すことになる。

文●佐藤俊(スポーツライター)

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