3月25日に開幕したプロ野球は早くも1か月が経過。長いペナントレースとはいえ、数十試合が行われる中で各チームの戦力図はもちろん、好調な選手、一方で調子が上がらない選手も出始めた。プロ野球12球団の開幕からの「MVP」、「逆MVP」を振り返っていこう。今回は中日だ。※成績は4月24日時点

●MVP
阿部寿樹 (二塁)

 堅実なセカンド守備と勝負強い打撃で、開幕直前に故障離脱した高橋周平の穴を埋めて余りある働きの阿部をMVPに選出した。4月1日からは7試合連続で打点を挙げるなど、ここまでリーグ5位タイの14打点を記録。ドラゴンズは慢性的に長打と四球の少なさが課題だが、ここまで6二塁打、3本塁打、12四球のいずれもチームトップと存在感を十二分に発揮している。

 打撃好調と言えば打率.362&34安打でリーグ1位、OPS.875もチームトップの大島洋平もいる。ただ、守備負担の大きいセカンドで無失策を続け、不振の4番・ビシエドに変わって打者を還す役割を果たしている阿部に軍配を上げた。2020年以降は月ごとに成績が乱高下する不安定さが目立つが、幸先の良いスタートを切った今季はまず「隔月打者」の汚名を払拭すべく、5月も打棒爆発を期待したい。

【動画】好調・阿部が9回に同点タイムリー! 今後もクラッチヒットを連発できるか●逆MVP
ビシエド (一塁)

 打撃好調のチームで、打率.229、OPS.654と低迷が続くビシエドを逆MVPとした。数字の上ではいずれも京田陽太が下回るが、8番打者と4番打者では求められる期待値がまるで違うのは言うまでもない。セ・リーグの他球団の4番打者と比較しても、リーグ平均のOPS.673を下回るのはビシエドだけ。また、得点圏打率はリーグワーストの.120で、絶好調の1番・大島が塁上を賑わしながらわずか7打点のみというのは、さすがに物足りないと言わざるを得ない。

 立浪和義監督は「他に4番を打つ人がいれば代えるんですけど、彼しかいない」と話していて、当面は復調を待つ方針。ただ、根尾昂のショート再転向など急な方針転換も厭わない立浪監督の決断力を考えると、このまま不振が続けば打順降格・スタメン落ちに踏み切る可能性も考えられる。それでも、4月24日の巨人戦では初回に先制タイムリー。2019年6月13日以降、4番以外でのスタメン出場がない主砲の復活の狼煙となるだろうか。

文●ロバートさん

【著者プロフィール】
1988年生まれ。Twitterにて中日ドラゴンズの戦力分析・考察を行う中日ファン。中日新聞プラスにて「データで考える中日ドラゴンズ」を連載中。Twitterは@robertsan_CD

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