現地時間4月25日、ボストン・セルティックスはブルックリン・ネッツとのプレーオフ ファーストラウンド第4戦を116−112で制し、無傷の4連勝でカンファレンス・セミファイナル進出一番乗りを決めた。

 ジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンを擁するセルティックスと、ケビン・デュラント、カイリー・アービングというオールスター選手を擁するシリーズは、開幕前から注目を浴びていたが、予想外のスウィープ(4連勝)で決着がついた。

「僕はチャンピオンシップの道のりというのは、決して簡単なものではないと思っている。ベストな相手と対戦しなければいけないからね。だから自分たちはその挑戦を引き受けたし、タフ(な戦い)になることは分かっていた」とシリーズ後に語ったテイタムは、さらにこう続けている。

「それが僕らにとって良かったんだと思う。僕らはスウィープで退けたけど、第1戦はブザービーターの決着で、第2戦は17点ビハインドからの逆転勝利だった。第3戦は残り8分で5点差だった。どの試合もタフだったけど、僕らは最初から最後まで集中していた」

 テイタムは4試合で両軍最多の平均29.5点、7.3アシストに4.5リバウンド、1.8スティールと大活躍。さらにブラウンが22.5点、5.3リバウンド、4.3アシスト、2.5スティール、マーカス・スマートが16.5点、4.0リバウンド、7.0アシスト、1.3スティール、アル・ホーフォードが13.0点、7.5リバウンド、2.0アシスト、グラント・ウィリアムズが11.0点、4.0リバウンド、1.5ブロックと、5選手が平均2桁得点を残した。
  テイタムが振り返ったように、シリーズはいずれも7点差以内で決着しており、勝敗以上にタフな戦いとなったことは間違いない。そのなかで、セルティックスはチーム一丸となった強固なディフェンスを駆使してネッツを封じ込み、4勝を手にした。

 翌26日。かつてニューヨーク・ニックスなどでHC(ヘッドコーチ)を務め、現在はNBAアナリストとして活動するジェフ・ヴァン・ガンディが『WEEI』の「The Greg Hill Show」へ出演し、両チームによるシリーズをこのように総括していた。

「私はスウィープになるとは見ていなかった。ただ、彼ら(セルティックス)は明らかに良いチームだ。この3か月で、本当に良いチームになっている。だから私はこの結果に驚いてはいない。彼らは支配していたのだからね。そしてケビン・デュラントをスウィープしたことは間違いなく信じられないこと」

 セルティックスはデュラントに平均26.3点を許したものの、フィールドゴール成功率わずか38.6%(32/83)、3ポイント成功率でも33.3%(7/21)に抑え込み、計21本ものターンオーバーを誘発し、キャリア初のスウィープ敗退へと追い込んだ。
 「あのチームには素晴らしいディフェンスが備わっていて、非常に有効なオフェンス力もある。本物のチャンピオンシップ・コンテンダーだ」

 ヴァン・ガンディはセルティックスをそう称えており、24歳のテイタムを手放しで絶賛していた。

「ジェイソン・テイタムは信じられないほど素晴らしい選手。彼は支配的なスコアラーからベストチームになり得るチームでベストプレーヤーへと変貌を遂げた。今の彼はアンセルフィッシュなチームのなかで着実にパスを回し、正しいプレーをこなしている。それにディフェンス面でも文句なしの働きをしているよ。彼がディフェンス面で見せている献身とスキル、読みの鋭さは見事だ」
  テイタムは今年のプレーオフでリーグベストとなる平均5.7本のディフレクション(ディフェンスがボールに触って、ドリブルやパスをそらせる行為)を記録しているだけでなく、デュラントに対するディフェンスでも申し分ない働きを見せていた。

『NBA tracking data』によると、テイタムは4戦合計30分23秒、139ポゼッションでデュラントと対峙し、12得点しか許さなかった。さらにデュラントはテイタムとマッチアップしたシーンでフィールドゴール成功率16.7%(3/18)で3ポイントは5本ともミス、ターンオーバーを12本も記録し、2本のブロックを浴びていた。

 テイタムがこのシリーズで選手としての評価をさらに高めたことは間違いない。さらに彼の周囲にもブラウンやスマート、ホーフォードといった頼れる選手たちが揃っている。ネッツをスウィープしたことで、セルティックスがイースタン・カンファレンスの本命になったと言っても過言ではない。

文●秋山裕之(フリーライター)