F1第4戦のエミリア・ロマーニャ・グランプリで今季自己最高の7位入賞を果たしたアルファタウリの角田裕毅については、各国のメディアから賛辞が贈られている。

 開幕戦のバーレーンGPでも安定したドライビングを見せて8位入賞という幸先の良いスタートを切った角田だが、この時は他のレッドブル勢の総崩れ(レース終盤にマシントラブルで3人が立て続けにリタイア)に助けられたところもあった。
【動画】角田裕毅の華麗なオーバーテイク! マグヌッセンを捉えた!! 対して、ホームレースとなった今回のイモラでは、予選でチームの戦略ミスもあってQ1敗退という最悪のスタートを強いられながらも、スプリントで4つも順位を上げ、さらに決勝では難しいコンディションの中で好スタート。巧みなドライビングで後続を抑え、終盤にはチャンスを逃さずにオーバーテイクをしっかり決めてのポイントゲットということで、彼のF1キャリアにおけるベストレースのひとつとも言われている。

 このレースが、昨季は無理な突っ込みでスピンを繰り返し、その後の苦難の始まりとなってしまった第2戦の舞台と同じイモラで開催されたことから、より21歳の日本人ドライバーの改善ぶりが際立つこととなり、複数のメディアが「必要とされていた一貫性を身につけた」「完全に自信を回復した」と彼を評価、これまでの懐疑的な見方を変えつつあるのが窺える。

 オーストリアのモータースポーツ専門メディア『MOTORSPORT MAGAZIN.COM』は、「角田は2022年になってついに“落ち着いた”のか?」と題した記事において、昨季との違いを彼のコメントなどから検証している。

 角田はイモラでのレースの後、「去年は、自分が何をしているのか分かりませんでした。全てのラップで限界までプッシュしていたため、あのようなこと(フリー走行や予選でのスピンやクラッシュ)が起こりました。当時と比べて、今はペースの面で大きなステップアップができました」と語っており、昨季よりもあらゆる点でコントロールが可能になったのだという。

 そんな角田について、同メディアはドライビングの改善だけでなく、「全体的に落ち着いてきた」と彼への印象を明かしているが、本人は「無線では落ち着いたと思います。まだ、ドライビング中に叫んでいますが、無線ボタンを押しません。大きな改善ですね(笑)。無線でわめくより、車の限界について落ち着いた声でエンジニアに伝える方が、進歩するためには、はるかに良いことに気づきました」と明かしている。
【動画】角田裕毅の「2台抜き」シーンをチェック!順位は一時6位まで上昇「2022年の角田は全体的なパッケージとして優れている」と称賛する『MOTORSPORT MAGAZIN.COM』は、イモラでチームメイトのピエール・ガスリーを上回ったことを評価しながら、「まだ(ガスリーのとの比較は)時期尚早だと思いますが、今週末は彼に比べてうまくいきました。今後、どうなるか分かるでしょう」と語る角田の謙虚さや冷静さにも好印象を抱いているようだ。
  そして記事は、「F1での2年目を迎えた角田が、2021年よりもはるかに成熟したことについて、疑いの余地はない。日本の全ての角田ファンは、彼のこの姿勢が今後も維持されることを望んでいる」と締められている。

 オランダのモータースポーツ専門メディア『RN365』も「角田は昨季に比べて、今季ここまで、少しずつ状況は改善されている」と評し、「イモラでの最後のレースでは、特にそれが顕著だった」として記述。また、「若い日本人は自分が速くなっていることに気付いている」とも指摘した。

 このように、飛躍の兆候を見る者にも感じさせている角田。余談だが、米国のスポーツ専門メディア『ESSENTIALLY SPORTS』が、カナダの警察が安全運転を呼び掛けるSNSで「角田ではなく、(ヴァルテリ・)ボッタスのように、冷静に、運転に集中してください」と投稿したことを紹介。これは、同国でも人気のあるF1を例に出したもので、角田がコクピットで冷静さを失いがちである一方で、ベテランのボッタスが常に落ち着いているというイメージが、世界的に広がっていることを示してもいる。

 しかし、この記事で同メディアは、「角田は今季、行動も言動も良くなった。これは、彼に強く求められていたものだ。さらには、日本人ドライバーは先週末、チームにポイントももたらした。その調子だ、ユウキ! 冷静さを失いがちな悪名高きドライバーだった角田は今や、成長の好例でもある。彼は一貫性を身につけるための公式を解読したようだ」と指摘し、21歳の大きな変化を強調した。

構成●THE DIGEST編集部
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