トロント・ブルージェイズの捕手が重大なミスを犯してしまった。

 事の発端は、現地時間4月28日に本拠地で開催されたボストン・レッドソックス戦、1対0でリードして迎えた8回だった。ここを無失点に切り抜ければ勝利が見えてくる局面で、ブルージェイズのマスクを被っていたアレハンドロ・カークは1塁側ベンチ、すなわち相手ベンチの近くに、今季から導入されているサイン伝達用の電子機器を落としてしまったのだ。

 ともすれば、相手に戦術が漏洩してもおかしくない場面だった。しかし、これに気付いたレッドソックスの指揮官アレックス・コーラはすかさず受信機を拾いあげ、相手ベンチまで届けた。

 この敵将の行ないには、ブルージェイズのチャーリー・モントーヤ監督も脱帽する。地元カナダのスポーツ専門局『Sportsnet』で「私の所まで届けてくれるなんて、かなり紳士的だね」と語った。

「彼らは容易にそれを保持して、(クローザーのジョーダン・)ロマーノが投げる球をすべて聞くことができたはずだ。潔く私たちに機器を届けた彼はえらい」
  正しい行動をとったコーラ監督だが、実はヒューストン・アストロズのコーチ時代に組織的なサイン盗みを主導した疑いがもたれている。そんな46歳は1年間の処分期間を経て、ふたたび現場復帰した経緯があるのだ。

 また同メディアが指揮官の行動を高く評価したのにはもう一つ理由があった。実はカークは昨年9月、本塁のクロスプレーの際にリストバンドからサインカードを落としてしまっていたのだ。

 その際、対戦相手だったタンパベイ・レイズのケビン・キアマイアーは、これを拾い上げ、そのままコーチへ渡す事件が発生していた。これを踏まえた同メディアは「コーラ監督の行動はキアマイアーとは対照的だ」と評している。

 サイン盗み対策として導入されたサイン伝達機器。様々な問題が浮き彫りになるなかで、ブルージェイズ捕手のようなミスは今後の課題と言えそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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