ロシア・アンチドーピング機関(RUSADA)のトップが、心外だとばかりに声明を発表した。

 北京五輪で世界に衝撃を与えたドーピング騒動。ROC(ロシア・オリンピック委員会)の女子フィギュアスケート代表、カミラ・ワリエワを巡る疑惑はいまだ調査が完了しておらず、世界アンチドーピング機関(WADA)はRUSADAに対して、今年8月8日までに調査結果を報告するように通達している。
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 そんななか、ひとつの懸念がアメリカ側から示された。事の発端は4月26日にモスクワ・クレムリンで開催された一大イベントだ。同国の北京五輪メダリストらが招かれた式典で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がワリエワ問題に言及。「彼女はその演技で、スポーツをホンモノの芸術の域にまで高めた」と称えたうえで、「あのような完璧な演技は、追加手段(薬物)や操作のような不正行為の助けなど必要としない」と、ドーピング疑惑を一蹴したのだ。

 これを受けて、米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)のサラ・ハーシュランドCEOは、国家元首の決定的な発言が調査活動に影響を及ぼす可能性を指摘。「プーチンがワリエワを擁護したニュースを見て、誰もが疑念を抱いたはずだ。調査プロセスが進行している最中であのような擁護発言が出れば、国内の関係機関が“誠実さ”を保てなくなるのではないか?」と疑問を呈した。
 
 そして現地時間5月6日、RUSADAのヴェロニカ・ロギノワ会長がロシア・メディアに向けて反論コメントを寄せた。国営通信社『RIA Novosti』によると、プーチン発言やハーシュランドCEOへの直接的な反応は避け、「我々はWADAで定められた国際的な基準の下で厳しく調査を続けている。徹底した調査を敢行しているため、時間を要しているのだ」と主張し、次のように論じている。

「忘れてほしくないのは、アスリートが(当時15歳の)被保護者であるという点だ。これ以上のコメントはアスリートの権利を侵害するだけでなく、調査の妨げにもなると考える。ありとあらゆる角度から調査しているのは疑いがなく、期日までに明確な答えを出すだろう」

 昨年12月の検体チェック以降、WADAやCAS(スポーツ仲裁裁判所)を含め、すべてにおいて対応の遅れが顕著だ。RUSADAが8月8日までに結論を出しても、最終的な採決が下されるのは来年にずれ込む予定で、となれば、フィギュアスケート団体のメダル授与もまだまだ先となる。同種目はROCが優勝を飾り、2位がアメリカ、そして3位には日本が食い込んだ。

構成●THE DIGEST編集部

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