いよいよ大詰めを迎えている男子テニスツアー「マドリード・オープン」(5月1日〜8日/スペイン・マドリード/クレーコート/ATP1000)は現地5月7日にシングルス準決勝を実施。次期ナンバーワン候補と称される19歳のカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク9位)が現世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を6−7(5)、7−5,7−6(5)の逆転で下し、同大会最年少での決勝進出を決めた。

 5月5日に19歳の誕生日を迎えたばかりのアルカラス。今大会は初戦から厳しい戦いを強いられるも何とか勝ち上がり、現地6日に行なわれた準々決勝ではグランドスラム最多の21勝を誇る同郷のレジェンド、ラファエル・ナダル(4位)をフルセットで撃破。

 同日の準々決勝でフベルト・フルカチュ(ポーランド/14位)をストレートで破った世界1位のジョコビッチとは今大会がツアー初対決となった。

 テニスファンからも大きな注目を集めていたこの日の準決勝はナダルとの一戦で痛めた右足首の状態が心配されていた中、序盤からエンジン全開のアルカラスが第1ゲームでいきなりブレークに成功。だが第8ゲームでブレークを献上してタイブレークに持ち込まれ、2度のミニブレークを喫して第1セットを落としてしまう。

 それでも第2セットに入ると持ち前の粘りのディフェンスと多彩な攻撃を見せるアルカラスが順調にポイントを積み重ね、第12ゲームで値千金のブレークを奪ってセットオールとする。勝負のファイナルセットでも互いに一歩も譲らない激しい攻防が繰り広げられ、この日2度目のタイブレークへと突入。ここでアルカラスが3度のミニブレークを果たし、3時間35分にも及ぶ大激戦を制した。
  この結果クレーの大会でナダルとジョコビッチの2人に勝利した初のプレーヤーとなったアルカラス。もはや誰にも止められない勢いを見せているものの、試合後のインタビューでは「タイトな試合になった。彼(ジョコビッチ)は、第2セットの終わりに僕のサービスゲームをブレークするチャンスもあった。第1セットもタイブレークでは非常に接戦だった。正直なところ、何が勝敗をわけたのかはわからない」と謙虚にジョコビッチとの初対戦を振り返った。

 それでも最後には「明日の決勝に向けて、大きな自信を得た。本当にいいプレーができたと思うし、残りのシーズンも世界のトッププレーヤーたちと対戦して彼らを倒すことができるとも思っているから、(今回の勝利は)自分に大きな自信を与えてくれるね」と喜びを表現した。

 なお日本時間9日午前1時以降に行なわれる決勝でアルカラスは今季4勝目を懸け、大会連覇を狙う世界3位のアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)と対戦する。ズべレフには過去0勝2敗とまだ勝ちがないが、ぜひともマスターズ決勝の大舞台で雪辱を果たしてもらいたいものだ。

文●中村光佑

【連続写真】将来の王者候補アルカラスの動かされても力強く返球したフォアハンド