男子テニスツアー「マドリード・オープン」(5月1日〜8日/スペイン・マドリード/クレーコート/ATP1000)は現地5月8日にシングルス決勝を実施。次期ナンバーワン候補と称される19歳のカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク9位)が前回覇者のアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ/同3位)を6−3、6−1のストレートで下し、同大会初の優勝を飾った。

 5月5日に19歳の誕生日を迎えたばかりのアルカラス。今大会は準々決勝で四大大会最多の21勝を誇る同郷のレジェンド、ラファエル・ナダル(スペイン/4位)をフルセットで破ると、準決勝でも現世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を3時間35分にもおよぶ大激戦の末に撃破。クレー大会でナダルとジョコビッチの2人に勝利した初のプレーヤーとなった。

 大会連覇を狙うズべレフには、過去0勝2敗とまだ勝ちがなかったアルカラスだが、この日の決勝は第6ゲームでラブゲームでのブレークに成功。第1セットを幸先よく先取。第2セットに入ってもアルカラスは得意のドロップショットをはじめとした多彩な攻撃でズべレフに付け入る隙を与えず、わずか62分で勝利を収めた。

 今季4勝目を挙げるとともに、3月のマイアミ・オープンに続いて四大大会に次ぐマスターズ1000で2つ目のタイトルを獲得したアルカラス。19歳3日でのマドリード優勝という大会史上最年少での記録も打ち立てた。

 ふたたび男子テニス界に強烈なインパクトを残した超新星は試合後のオンコートインタビューで喜びをあらわにしながら、今大会を次のように総括した。
 「偉大な選手たちを倒すことができて、気分は最高だよ。テニス界で最高の選手2人を倒し、さらに世界3位のズベレフも倒せるなんて。彼(ズべレフ)も偉大なプレーヤーだ。僕の人生の中で最高の1週間と言えるだろう」

 また「マドリードは初めて観戦した大会だったんだ」というアルカラスは「僕にとって、最高の瞬間だよ。今日のトロフィーはとても感動的なものだよ」と感慨深げにコメント。

 最後には「ラファがこのトロフィーを掲げるのを見て、この瞬間のために頑張ろうと思ったんだ」と語り、マドリードで5度の優勝経験を持つナダルの存在が今大会に臨むうえでのモチベーション維持につながっていたと明かした。

 19歳とは思えないプレーで誰にも止められない勢いを見せているアルカラス。一体彼はどこまで進化を続けるのだろうか。今シーズンでのグランドスラム初制覇ももはや夢ではない。

文●中村光佑

【連続写真】将来の王者候補アルカラスの動かされても力強く返球したフォアハンド